第546回:Decks of the Month 今月のデッキ(2026年2月)
ライター・たるほさんによる、その月に活躍したデッキやメタゲームを解説するマンスリーコラム。
今回は環境の集大成となるトーナメント『第七期名人位決定戦』を振り返り、「発見の旅路」環境を総括します。
【今回のトピックス】
1. 決勝大会ならではの変化と、新たな有力デッキ2. 『第七期名人位決定戦』から見る「発見の旅路」環境のまとめ
3. 環境激変!? 「夢幻の海」に漕ぎ出そう
今回は2月21日に開催された『第七期名人位決定戦』を振り返り、「発見の旅路」シーズンのスタンダード環境考察を総括していきたいと思います。
『世界選手権 2025』が行われた昨年12月からの約3か月間、環境はどのような変遷を辿ったのでしょうか。
『第七期名人位決定戦』は私も配信の解説という立場で参加させていただきましたので、まだご覧になっていない方はぜひアーカイブでご覧ください!
【『第七期名人位決定戦』配信アーカイブはこちら】
【『第七期名人位決定戦』イベントレポートはこちら】
デッキで見る『第七期名人位決定戦』振り返り
まずは『第七期名人位決定戦』にどのようなデッキが持ち込まれたのか見てみましょう。
全国の地区予選を勝ち抜き『第七期名人位決定戦』に参加したプレイヤーは51名。そのデッキ分布は以下のとおりでした。

「発見の旅路」環境の多様性を体現するように全18種類のデッキが持ち込まれましたが、特に人気を集めたのは「火単」「火風土水【光の戦士】」「戦士」の3デッキでした。前回の記事でも紹介したとおりこの3デッキは地区予選での上位入賞数も拮抗しており、今大会でも前評判をそのまま反映する形となりました。
しかし、地区予選ではそれらと並ぶ勢力だった「火氷水【騎士】」はやや使用率を落としており、逆に「コスト3WoL」「風単」「土水カオスアーク」といったデッキが第2集団あたりまでシェアを伸ばしている点も今大会のひとつの特徴と言えるでしょう。
特に「風単」や「土水カオスアーク」は「発見の旅路」で目立った強化を受けていないものの、「火風土水【光の戦士】」に対抗するデッキとしてのポジションを確立しており、より仮想敵が明確となる決勝大会ではこれまでもシェアが高まる傾向にありした。「火風土水【光の戦士】」が最大勢力の一角となった今大会でも、例に漏れずしっかりとシェアを伸ばしています。
そして、今大会のダークホース的存在となったのが「氷水モンスター」です。モンスターデッキには「火水」「水雷」などさまざまなバリエーションがありましたが、「発見の旅路」で登場した【27-028H】シーモアによって新たな構築が模索され、4名のプレイヤーによって大会に持ち込まれました。
予選ラウンドを終え、決勝トーナメントには7種類のデッキが駒を進めました(内容は画像を参照)。
特徴的な点は、決勝トーナメントに進出したデッキがすべて使用数3名以上のデッキだったことです。「風単」「氷水モンスター」「コスト3WoL」「土水カオスアーク」など、この大会に合わせて数を伸ばしてきたデッキも順当に勝ち上がっており、深く調整がなされた結果ということを裏付けています。
そんななか、最大勢力の一角「火単」がここで姿を消します。天敵である「火風土水【光の戦士】」に加え「風単」も一定数おり、最大勢力であるがゆえのミラーマッチの発生も勝率の低下につながったのではないかと予想されます。
迎えた決勝トーナメント、準々決勝の結果は以下のようになりました。
| どぶろく(光の戦士) | 2-0 | ぱっつぁん(氷水モンスター) |
| ai_fftcg(コスト3WoL) | 2-1 | eureka(風単) |
| Manasource(戦士) | 2-1 | やぶ(光の戦士) |
| まっすー@あそくま(騎士) | 2-1 | チョココロネ(土水カオスアーク) |
アグロ系統の「戦士」「火氷水【騎士】」「コスト3WoL」がそれぞれコントロールデッキを撃破し、一気にトーナメントをアグロの色に塗り上げます。
続く準決勝の結果は
| ai_fftcg(コスト3WoL) | 2-1 | どぶろく(光の戦士) |
| Manasource(戦士) | 2-0 | まっすー@あそくま(騎士) |
「火風土水【光の戦士】」が「コスト3WoL」に敗れたことでコントロールデッキが姿を消し、決勝戦は「コスト3WoL」対「戦士」のアグロ対決になります。
そして決勝はManasourceさんが勝利し、「戦士」デッキが優勝を納める結果となりました。
「発見の旅路」シーズンのスタンダード環境
さてここからは大会の結果を踏まえ、「発見の旅路」シーズンのスタンダード環境を振り返り考察していきましょう。
今回、『第七期名人位決定戦』ではトップ8のうち火属性を含むデッキが5つ、氷属性を含むデッキは4つ、両方の属性を含むデッキは3つでした。そしてトップ4にはその3つがすべて残り、決勝戦は「戦士」対「コスト3WoL」という結果になりました。
これまでの考察記事のなかで、「発見の旅路」シーズンのスタンダード環境の特徴として火・氷属性が新カードによって大幅な強化を受けたという点を強調してきましたが、今回の結果から見ても「発見の旅路」シーズンのスタンダード環境は「火氷」という組み合わせを主軸としたデッキが選択の要だったと振り返ることができます。
この点において個人的に特に重要だと感じているのは氷属性の部分の評価で、火属性では触れにくいリソースの部分やモンスターというカードタイプに対してもダル・凍結による対処でうまく補完できていたことが今回の結果につながったと推察できます。
実際デッキの使用率も高く、シェア上位のデッキを仮想敵としていた「火単」がいまひとつ振るわなかった理由のひとつとして、「発見の旅路」が生んだ"多様性"の中に含まれる仮想敵以外のデッキが火属性に対して強い要素を持っていたことにあると考えられます。
このあたりの要素にいち早く感づいてデッキを選択・調整できたプレイヤーが勝ち上がったのが今回の『第七期名人位決定戦』だったと言えるでしょう。
舞台は「夢幻の海」へ
そんな『第七期名人位決定戦』も終わり、「夢幻の海」シーズンを待つ私たちに突然のニュースが舞い込んできました。『第七期名人位決定戦』でも活躍した4種類のカードに、「夢幻の海」の発売とあわせて禁止または1枚制限が課されます。
「スタンダードにおけるカードの使用制限につきまして」
今回の使用制限により、「火風土水【光の戦士】」「風単」「モンスター」といったデッキは大幅な弱体化を余儀なくされるでしょう。
前回の記事で、「発見の旅路」シーズンのスタンダード環境は
と考察しましたが、この三すくみは大きく崩れることになりそうです。
注目すべきポイントは、アドバンテージの獲得に優れリカバリー能力が高い「火風土水【光の戦士】」「風単」と、カードタイプの特性から除去耐性に優れたモンスターデッキにメスが入ったと言う点。これにより「火単」をはじめとする除去性能に優れたデッキがより活躍しやすくなるのではないかと予想されます。
また一方で、除去される前に役割を遂行しやすいヘイストを持つフォワードのバリューも高まると考えられるため、もうすぐ始まる新環境はこれまでのスタンダードとは違う景色のトーナメントシーンを迎えることになるでしょう。
この記事が出るころには全貌が明らかになっているであろう「夢幻の海」の新カードを含め、4月から始まる『MASTERS 2026』が楽しみですね。
昨年11月から始まった「発見の旅路」シーズンのスタンダード環境でしたが、長い旅路もいよいよ終わりを迎えようとしています。さまざまな発見により多くの変化がもたらされた環境でしたがいかがでしたでしょうか? もしかしたらまだ発見されていない意外なカードやデッキがあるかもしれないので、最後まで楽しんでいきたいと思います。
そして、まもなく迎える「夢幻の海」環境では『MASTERS 2026』が始まります。新環境でもまた考察記事をお届けしていきたいと思いますのでぜひお楽しみに!
それではまた次回お会いしましょう!
