第536回:Decks of the Month 今月のデッキ(2026年1月)

 ライター・たるほさんによる、その月に活躍したデッキやメタゲームを解説するマンスリーコラム。
 今回は、『第七期名人位決定戦』に向けてさまざまなデッキが活躍を見せた1月のスタンダードを掘り下げます。

【今回のトピックス】

1. 1月の『第七期 名人戦』地区予選を振り返り
2. これまでの地区予選の結果から見えてきた有力デッキ
3. 混沌のメタゲーム、たるほさんの注目デッキは!?

 みなさんこんにちは。『FFTCG』公式記事ライターのたるほです。

 今回は1月に開催された『第七期 名人戦』の北信越地区予選、東海地区予選、九州地区予選の結果をもとに、『発見の旅路』シーズンのスタンダード環境がどのような変遷をたどったのか考察していきたいと思います。

1月の公式トーナメント活躍デッキを振り返り

 まずは、1月に開催された『第七期 名人戦』の地区予選を振り返っていきましょう。

北信越地区予選

 2026年の『FFTCG』最初の公式トーナメントとなったのが、1月11日に金沢市で開催された北信越地区予選です。参加者15名のトーナメントを制したのは会場唯一の「氷単」を選択しスイスドローを全勝したしーゆーさんでした。

■『第七期 名人戦 北信越地区予選』優勝:しーゆー  デッキ:氷単





 しーゆーさんの「氷単」は、召喚獣のキャストに反応してフォワードをフィールドに出し直す【10-023H】ウネでオートアビリティを使い回すヘビーコントロール型のデッキタイプです。氷属性は『発見の旅路』で【27-028H】シーモア【27-036L】ロックといったフィールドに出たときのオートアビリティを持つ強力なフォワードが増えており、デッキのポテンシャルが一段階高くなっています。

 長い間、氷属性の課題とされてきた除去性能の面でも単体除去に【21-032R】ティナや【22-024L】クラサメ、全体除去も【20-127L】神竜や【3-037H】死の天使ザルエラといったカードがそろっており、大幅に強化されています。

 「氷単」の公式トーナメントでの優勝は私が記憶するかぎり『MASTERS 2021 伊勢崎』以来ですが、長い時間をかけた進化が結実したことで並いる強豪デッキを押しのけての優勝を果たすまでになりました。

東海地区予選

 地区予選の折り返し地点となった東海地区予選は1月17日に名古屋市にて開催され、参加者54名が26種のデッキを持ち込むという多様なメタゲームの大会となりました。

 全勝で優勝を果たしたのはケンビさんで、「氷雷FFVIII」デッキは関東地区予選に続いて地区予選2勝目を挙げています。

■『第七期 名人戦 東海地区予選』優勝:ケンビ  デッキ:FFVIII




 予選通過者のデッキは「氷雷FFVIII」「火水【戦士】」「火単」「火風土水【光の戦士】」「火氷【戦士】」「風雷【クラスゼロ】」「水雷モンスター」と多彩な顔ぶれとなりましたが、環境の顔となるデッキが出そろってきた印象を受ける結果となりました。

九州地区予選

 1月最後の地区予選となったのが、1月24日に福岡市で開催された九州地区予選です。参加者は22名でした。

 デッキ分布では『発見の旅路』シーズンでも徐々に活躍の幅を広げてきた「火単」が「戦士」デッキと並んで使用数トップまでシェアを伸ばしてきました。これまでの九州での公式トーナメントでも「火単」の優勝率が高いイメージがありましたが、そういった状況を跳ねのけて優勝したのはまっすー@あそくまさんの「火氷水【騎士】」でした。

■『第七期 名人戦 九州地区予選』優勝:まっすー@あそくま  デッキ:騎士



 最大勢力となった「火単」「戦士」はともに除去性能に優れ、メタゲーム上は「火氷水【騎士】」のようなデッキに対する抑止力となる存在ですが、それらが多いメタゲームを突き抜けて「火氷水【騎士】」が優勝し、デッキのポテンシャルをあらためて感じさせました。

 他の予選通過者のデッキも「土水カオスアーク」「氷単」と、ここにきてさまざまなデッキがポテンシャルを主張してきたように思える結果です。



スタンダード環境の変遷と『第七期名人位決定戦』に向けた考察

 1月は『第七期 名人戦』の地区予選も後半に入り、『発見の旅路』シーズンのスタンダード環境へのプレイヤー間の理解が非常に深まった時期だったかと思います。

 ここからは、1月までの地区予選の結果を振り返り、2月21日に控える『第七期名人位決定戦』に向けたメタゲームについて考察していきましょう。

 前回の記事では『発見の旅路』でフィールドに出たときに発動するオートアビリティと、フィールドに生き残ることで継続して使えるオートアビリティを合わせ持つフォワードが増え、それに伴って除去性能に長けた火・氷・雷属性が台頭してきたと考察しましたが、これに関しては1月の結果を見ても大筋で正しかったと思います。



 ではあらためて、1月までの7回の地区予選における優勝デッキおよび上位・プレーオフ通過者のデッキをおさらいしてみましょう。


【関東地区予選】

優勝:「氷雷VIII」
上位・プレーオフ通過:「火単」×3、「火風土水【光の戦士】」×2、「風単」、「火氷【戦士】」、「水雷モンスター」、「水雷【暁の血盟】」


【四国地区予選】

優勝:「火風土水【光の戦士】」
上位・プレーオフ通過:「土単」


【北海道地区予選】

優勝:「火氷【戦士】」
上位・プレーオフ通過:「火単」


【近畿地区予選】

優勝:「火氷【戦士】」
上位・プレーオフ通過:「火氷水【騎士】」×2 、「土単」、「火氷【戦士】」、「コスト3WoL」、「氷雷」、「風雷【クラスゼロ】」、「火風土水【光の戦士】」


【北信越地区予選】

優勝:「氷単」
上位・プレーオフ通過:「火氷水【騎士】」


【東海地区予選】

優勝:「氷雷VIII」
上位・プレーオフ通過:「火氷水【戦士】」、「火風土水【光の戦士】」、「水雷モンスター」、「風雷【クラスゼロ】」、「火単」、「火氷【戦士】」


【九州地区予選】

優勝:「火氷水【騎士】」
上位・プレーオフ通過:「土水カオスアーク」、「氷単」



 これらの結果をまとめると以下のようになります。

【上位入賞デッキ分布】

5「火単」
5「火風土水【光の戦士】」
5「火氷【戦士】」
4「火氷水【騎士】」
2「氷雷VIII」
2「氷単」
2「水雷モンスター」
2「風雷【クラスゼロ】」
2「土単」×2
1「火氷水【戦士】」
1「氷雷」
1「水雷【暁の血盟】」
1「コスト3WoL」
1「土水カオスアーク」
1「風単」



 分布からわかるとおり、現次点の『発見の旅路』環境では「火単」「火風土水【光の戦士】」「火氷水【騎士】」「戦士(火氷、火氷水も含む)」の4デッキが特に結果を残しています。これを踏まえて『発見の旅路』シーズンのスタンダード環境を考察すると、

  • ・デッキパワーの頂点には変わらずコントロールデッキの「火風土水【光の戦士】」が君臨
  • ・それに対し、ジョブやカテゴリを主軸に氷属性でリソースを縛ってイニシアチブを握る「戦士」「火氷水【騎士】」「氷雷VIII」が流行
  • ・『発見の旅路』の強化でポテンシャルを高めた「火単」も台頭
  • ・これらのデッキが【12-002H】アマテラスでお互いを牽制しながら三すくみの関係を維持している


  •  というのが基本的な構造だと考えられます。もう少し視野を広げると、環境において層が厚いアグロ~ミッドレンジ帯デッキのフォワードを的確に対処できる「風雷【クラスゼロ】」など火属性以外のデッキが活躍してきたのもトピックの1つと言えるでしょう。



     このことから『第七期名人位決定戦』のメタゲームを考えたとき、テーマとなるのは「氷属性を採用したアグロ~ミッドレンジのデッキ群といかに向き合うか」という点になると考えています。単純なデッキのポテンシャルはもちろん、「火単」や「火風土水【光の戦士】」と比べても、それらのデッキの合計でのシェア率が倍近くなると考えられるためです。

     『第七期 名人戦』の地区予選ではこれらのデッキ群に対する回答として「火単」のような除去デッキを選択したプレイヤーも多かったと思いますが、『第七期名人位決定戦』は決勝トーナメントのある大会です。「火単」にとっては天敵となる「火風土水【光の戦士】」が避けては通れなくなるため、安易に「火単」を選択するのは優勝を目指すうえではリスクを抱えるとも考えられます。



     ここで私が注目したいのが「水単」の存在です。

     『発見の旅路』シーズンのスタンダード環境でも『世界選手権 2025』で優勝したえあさんが片方のデッキとして使用していた「水単」ですが、「火単」と同じく優秀な単属性の除去デッキでありながら「火風土水【光の戦士】」と渡り合うのに十分なポテンシャルを持っており、「火単」との除去合戦でもモンスターの採用枚数が多いという優位を確立できています。

     『発見の旅路』における強化はそれほど受けていないものの、地区予選と比べて使用デッキが限定される『第七期名人位決定戦』ではあらためて日の目を見ることになるかもしれません。

     『発見の旅路』環境のこれまでを振り返りつつ有力デッキについてまとめましたが、もちろんこれまでにないほど多くのデッキタイプが跋扈するメタゲームであるため『第七期名人位決定戦』では今回話題に挙げた以外の新たなデッキが活躍する可能性も大いにあります。

     スタンダード環境が終盤に向けてどのような発展を見せるのか、そしてそれは『第七期名人位決定戦』でどのように実を結ぶのか注目です。



     それではまた来月お会いしましょう!