第523回：『MASTERS 2025 FINAL』トーナメントレポート

　4月から全国24会場で展開してきた公式トーナメント『MASTERS 2024』の決勝大会『FINAL』が、10月18日・19日の2日間にわたって東京のスクウェア・エニックス渋谷オフィスにて開催されました。
　2025年シーズン日本一のプレイヤーと、『世界選手権 2025』への残る8枠が一挙に埋まるトーナメントでもあります。
　予選を勝ち抜いた74名のプレイヤーによる国内最高峰の戦いのレポートを、トップ16のデッキリストとあわせてお届けします。

【『MASTERS 2025 FINAL』配信アーカイブはこちら】

　本大会のフォーマットは、同じカードはどちらか片方にしか使用できないルールのもと2つのデッキを用意する「2デッキスタンダード」で、予選ラウンドは2つのデッキを前半・後半でそれぞれ4ラウンドずつ使用してのスイスドロー8回戦で行われました。

　国内での「深淵のガンスリンガー」環境のスタンダードは9月中ごろから公式トーナメントがスタートし、『MASTERS 2025』は飛びぬけた有力デッキが不在という状況でした。2つのデッキの組み合わせ、A・Bの順番にも頭を悩ませたプレイヤーが多かったようですが、デッキ分布はこのようになりました。

　全勝はおらず7勝1敗が2名、6勝2敗が10名、そして5勝3敗からタイブレークで通過した4名が翌日の決勝ラウンドへ駒を進めました。トップ16の使用デッキは「騎士」がシェア1位を守りつつ、水単と水雷の「モンスター」デッキが存在感を増す結果となっています。「麒麟」「古代人コンボ」など、使用者1人から勝ち上がってきたデッキも印象的でした。

　2日目は昨年に続いてダブルエリミネーションで行われました。一度負けてしまってもチャンスの残る形式ですが、デッキリストが公開されている状況でのデッキ選択など、普段とは異なる駆け引きも求められる長丁場のトーナメントです。

　ここで勝利した4名がまず『世界選手権 2025』の参加権利を獲得します。

　ルーザーズトーナメントは使用するデッキをどちらか選んでの1本勝負で、2回戦を勝ち上がると『世界選手権 2025』の権利を獲得できます。

1回戦

2回戦

　ウィナーズトーナメントを勝ち上がったaaaaさん、ありかさん、タイクーンウィリアムさん、ルーザーズトーナメントを突破したあーきさん、ガブ＠麒麟亭さん、カワムラさん、たまごまんさん、そしてはらさんがウィナーズトーナメント準決勝に進んだことにより、権利の繰り下がり（ルーザーズトーナメント2回戦の敗者で予選ラウンド最上位）で冷麺さんが『世界選手権 2025』の権利を獲得されました。おめでとうございます！

　日本代表が決定し、ここからは日本一のプレイヤーを決定する戦いに突入します。


aaaa（水単モンスター/騎士）対 はら（水単モンスター/騎士）

［1ゲーム目］aaaa（騎士）対 はら（水単モンスター）
　お互い同じ2デッキでのマッチアップで、先攻のaaaaさんは「騎士」、はらさんは「水単モンスター」を選択します。1ゲーム目は互角の展開が続きましたが、【18-015R】ラムザを使える体制をいち早く整えたaaaaさんがそのまま押し切りました。

［2ゲーム目］aaaa（水単モンスター）対 はら（騎士）
　2ゲーム目ははらさんも「騎士」にデッキを変更し、お互いが1ゲーム目と逆のデッキを使っての対戦となります。はらさんは【18-015R】ラムザで展開しますが、【18-100L】レナからの【14-102L】海神リヴァイアサンが間に合って騎士たちを一掃し、この機を逃さず押し切ったaaaaさんが2ゲーム連取で決勝に駒を進めました。



タイクーンウィリアム（土水カオスアーク/騎士）対 ありか（水単モンスター/騎士）

［1ゲーム目］タイクーンウィリアム（騎士）対 ありか（水単モンスター）
　思うようにバックアップを並べられないありかさんに対し、スムーズに3体のバックアップを並べたタイクーンウィリアムさんは【16-042R】ラスウェルで攻勢を開始します。次々に繰り出される騎士に対し、ありかさんはすべてのリソースを使い【18-100L】レナからの【14-102L】海神リヴァイアサンで反撃します。しかしタイクーンウィリアムさんは【24-001L】イフリート [XVI]でブロッカーを排除して突破に成功し、1ゲーム目を先取します。

［2ゲーム目］タイクーンウィリアム（土水カオスアーク）対 ありか（水単モンスター）
　お互いにバックアップを並べあう展開のなか、ありかさんは【11-124H】リルムで少しずつダメージを入れていきます。タイクーンウィリアムさんはやむをえず9CP支払って【16-129L】カオスをキャストしますが、ありかさんは【14-113R】リヴァイアサンできっちり対処。自分の手札に戻した【11-124H】リルムでアドバンテージ差をつけて詰めきり、ゲームを取り返します。

［3ゲーム目］タイクーンウィリアム（土水カオスアーク）対 ありか（騎士）
　バックアップを引けなかったありかさんは【16-042R】ラスウェルと【22-006H】ガーランドで攻勢をかけますが、これにタイクーンウィリアムさんは【19-054C】ヴィンセントと【21-069C】クルルで的確に対処します。序盤に大きなリードをつかんだまま【22-124H】リレルリラ、【19-119L】ウネ、【19-105H】アークと次々に攻め込んだタイクーンウィリアムさんが勝利し、ウィナーズトーナメントの決勝に進出しました。 　

aaaa（水単モンスター/騎士）対 タイクーンウィリアム（土水カオスアーク/騎士）


［1ゲーム目］aaaa（水単モンスター）対 タイクーンウィリアム（騎士）
　タイクーンウィリアムさんは1ターン目から【26-004C】エルウィンでサーチした【24-005L】クライヴでアタックする勢いのよいスタートを切り、その後も相手の【11-124H】リルムを【12-002H】アマテラスで妨害しつつ騎士を展開して一気にダメージを6点まで詰めます。追い込まれたaaaaさんでしたが「水単モンスター」の伝家の宝刀、【18-100L】レナからの【14-102L】海神リヴァイアサンで盤面を一掃し、相手の後続に対しても【18-100L】レナのアビリティをさらに使用して【11-124H】リルムをフィールドに戻して【14-102L】海神リヴァイアサンとの合わせ技でシャットアウト。みごとな逆転勝利で王手をかけます。

［2ゲーム目］aaaa（騎士）対 タイクーンウィリアム（土水カオスアーク）
　2ゲーム目、タイクーンウィリアムさんも「土水カオスアーク」にデッキを切り替えてaaaaさんの「騎士」に挑みます。aaaaさんが【16-042R】ラスウェルで相手のバックアップを凍結させるところからゲームが始まり、次のターンも【22-097L】クリルラで【12-126R】ガウェインを出しつつ【18-015R】ラムザをデジョン、さらに【6-041L】リノアで【22-097L】クリルラを再び出して怒涛の攻めを見せます。タイクーンウィリアムさんも召喚獣でダメージを抑えながらバックアップを増やし、【23-124L】エーコからの【19-105H】アークなどで粘り強く戦いましたが、最後は【22-115R】サージェスでブロッカーを押しのけたaaaaさんが押し切り、ウィナーズトーナメントを制してグランドファイナル進出を決めました。 　

3回戦

4回戦

5回戦

決勝

　ルーザーズトーナメントははらさんが制し、グランドファイナルはウィナーズ準決勝と同じカードとなりました。

aaaa（水単モンスター/騎士）対 はら（水単モンスター/騎士）

［1ゲーム目］aaaa（騎士）対 はら（騎士）
　初戦は「騎士」のミラーマッチ。まずは後攻のはらさんが【18-015R】ラムザから【22-097L】クリルラでゲームを動かそうとしますが、【12-002H】アマテラスで妨害されます。しかしaaaaさんはその後の展開が振るわず、2ターン連続でパスとなってしまいます。順当にフィールドへ騎士を増やしていったはらさんが物量で押し切り、1ゲーム目を制しました。

［2ゲーム目］aaaa（騎士）対 はら（水単モンスター）
　デッキを「騎士」から変更せず今度こそ先攻の利を活かしたいaaaaさんでしたが、手札に恵まれず初動はLBデッキの【23-128R】ベアトリクスに留まり、その後も騎士の大量展開につなげることができません。ようやく引き当てた【22-097L】クリルラもアビリティがまさかの不発に終わり、順調にデッキを動かしたはらさんが勝利。ルーザーズトーナメント代表のはらさんが勝利したため、優勝者はお互いにデッキを選択しての1本勝負、優勝決定プレーオフで決まることになります。

［優勝決定プレーオフ］aaaa（水単モンスター）対 はら（水単モンスター）
　日本一のプレイヤーを決定するラストゲームは両名が「水単モンスター」を選択し、お互いにバックアップやモンスターを並べあうスタートを切ります。お互いに【18-086H】アーシェや【11-124H】リルムでフォワードを除去しあう展開が続いたままあっという間に制限時間の30分が経過し、ダメージはお互い2点。次の1点ががほぼゲームを決めるという状況で延長ターンに突入します。
　aaaaさんはこれまで温存していた【21-102L】ガウ、【23-129H】ルナフレーナ、【18-100L】レナ、【14-102L】海神リヴァイアサン、【18-086H】アーシェを一気に放出し、はらさんのフィールドにバックアップしか残らない状況に追い込みます。しかしはらさんも返しのターンで【18-100L】レナと【14-102L】海神リヴァイアサンを中心に押し返してaaaaさんのアタックを通さず、延長の3ターンが経過してもダメージはイーブンのまま、ダメージに差がついた時点で勝敗が決する"サドンデス"に入ります。
　延長5ターン目、aaaaさんのドローでデッキはついに0枚となり、実質的なラストターンを迎えます。残ったすべてのリソースを使って【14-102L】海神リヴァイアサンではらさんのフォワードを吹き飛ばし、【21-102L】ガウがモンスターをフォワード化してアタック。はらさんにこれを防ぐ術は残っておらず、お互いに58枚のデッキをほぼ使い尽くした激闘は劇的な幕切れとなりました。

　2025年シーズン日本一に輝いたのはaaaaさんです！ おめでとうございます！ 　

　最後の8つの椅子が埋まり、『Standard Championship 2025』を勝ち上がったえあさん、eurekaさんと『L3 Championship 2025』を勝ち上がったしどさん、ぱっつぁんさん、そして前年チャンピオン・はらさんの計13名が日本代表として『世界選手権 2025』に挑むことになりました。

　11月14日に『発見の旅路』が発売され、新たな環境で世界一のプレイヤーが決定します。そして『世界選手権 2025』の翌週からは新たな公式トーナメント『第七期 名人戦』がスタートします。
　約7か月間にわたった『MASTERS』を今年も無事に完走できたことへの感謝とともに、次なるシーズンも『FFTCG』をよろしくお願いいたします！ 　

■優勝：aaaa（予選1位）

デッキA：水単モンスター

デッキB：騎士

■準優勝：はら（予選12位）

デッキA：水単モンスター

デッキB：騎士

■3位：タイクーンウィリアム（予選10位）

デッキA：土水カオスアーク

デッキB：騎士

■4位：たまごまん（予選3位）

デッキA：水単モンスター

デッキB：騎士

■5位：ありか（予選6位）

デッキA：水単モンスター

デッキB：騎士

■6位：ガブ＠麒麟亭（予選9位）

デッキA：風雷

デッキB：光の戦士

■7位：あーき（予選4位）

デッキA：光の戦士

デッキB：古代人コンボ

■8位：カワムラ（予選15位）

デッキA：土水カオスアーク

デッキB：水雷モンスター

■ベスト12：eureka（予選2位）

デッキA：水雷モンスター

デッキB：風単

■ベスト12：冷麺（予選5位）

デッキA：水単レオ

デッキB：火水戦士

■ベスト12：YU（予選8位）

デッキA：土水カオスアーク

デッキB：コスト3WoL

■ベスト12：LIME（予選14位）

デッキA：水雷モンスター

デッキB：騎士

■ベスト16：クララ＠あそくま（予選7位）

デッキA：氷単

デッキB：騎士

■ベスト16：ミスティアーナ（予選11位）

デッキA：コスト3WoL

デッキB：土水カオスアーク

■ベスト16：全武将が○○（予選13位）

デッキA：麒麟

デッキB：水雷モンスター

■ベスト16：ヤッツー（予選16位）

デッキA：水雷モンスター

デッキB：光の戦士