第410回：『JAPAN CUP 2023』トーナメントレポート

　10月7日と8日の2日間にわたり、神奈川県横浜市のAP横浜にて『JAPAN CUP 2023』が開催されました。

　スタンダードとL3構築の変則2デッキ制という、2つのフォーマットでの環境とデッキへの理解が問われるハイレベルな仕様の大会となりましたが、81名のプレイヤーが集まり熱戦が展開されました。『世界選手権 2023』の椅子も残りわずかとなり、一発勝負で権利を獲得できるオープン形式のトーナメントではラストとなった大会のもようを、トップ8のデッキリストとあわせてお届けいたします。


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（準々決勝 0:14ごろ～ ⇒（お昼休み）⇒ 準決勝 2:07ごろ～ ⇒ 決勝 3:38ごろ～ ⇒ 優勝者インタビュー＆情報パート 4:32ごろ～）　

1日目【予選ラウンド】

　予選ラウンドは前半をスタンダード、後半をL3構築でのスイスドロー8回戦で行なわれました。

　まずはスタンダードのメタゲームですが、『日本選手権 2023』の予選終盤まで最有力のデッキが固まらない環境であり、今大会でも使用者が2ケタに届いたデッキはなしという分布となりました。4回戦まで全勝したデッキは「モールズの夜会」「火雷FFXIV」「雷単」「土雷」「4属性光の戦士」で、過半数が使用者1～2名のデッキとなり、デッキの練度が重要な環境となっている印象です。

　続いてはL3構築ですが、1番人気は「英雄の夜明け」環境でトップを走り続け、『L3 Championship』も制している「風土」となりました。そこに環境最速デッキの「火雷FFXIII」が続くかたちでしたが、明確に勝ち組となったのは火氷雷と火水雷の「FFVI」デッキで、この2つでトップ8の過半数を占める結果となっています。スタンダードと異なり、使用者の多いデッキが手堅く結果を残したようです。

　スイスドロー8回戦が終了し、7勝1敗の3名と、6勝2敗の8名からタイブレークの上位5名が翌日の決勝トーナメントで日本代表の座を争うことになりました。

▲トップ8の顔ぶれ

準々決勝


大会2日目の決勝トーナメントはデッキリストをすべて公開のうえ、1ゲーム目はスタンダード、2ゲーム目はL3構築、3ゲーム目は1日目でより上位のプレイヤーが選択する形式の2本先取で行なわれました。


準々決勝（結果）

えあ 2－0 ザワワ
4属性光の戦士 ○【ス】× 氷雷
風土雷 ○【L3】× 火氷水FFVI

SKR 2－1 東雲
雷単 ○【ス】× 土雷
風土 ×【L3】○ 火氷水FFVI
雷単 ○【ス】× 土雷

Flying92 2－1 ミスティアーナ
氷雷 ×【ス】○ 火雷FFXIV
火雷FFXIII ○【L3】× 火氷雷FFVI
火雷FFXIII ○【L3】× 火氷雷FFVI

ハリガイ 　○－× しょーちゃん
（不戦勝）
　

　3ゲーム目にもつれた試合はいずれもフォーマットを選択できた上位プレイヤーが勝利しており、今大会の特徴が反映された結果となっています。

ベスト8 デッキリスト

※リスト内のカード名は、クリックするとカード画像が表示されます。



■ベスト8：しょーちゃん（予選2位）

スタンダード：モールズの夜会

フォワード　23

バックアップ　17

召喚獣　10

L3構築：火氷雷FFVI

フォワード　32

バックアップ　18

■ベスト8：東雲（予選5位）

スタンダード：土雷

フォワード　23

バックアップ　16

召喚獣　11

L3構築：火氷水FFVI

フォワード　36

バックアップ　11

召喚獣　3

■ベスト8：ミスティアーナ（予選6位）

スタンダード：火雷FFXIV

フォワード　31

バックアップ　10

召喚獣　6

モンスター　3

L3構築：火氷雷FFVI

フォワード　33

バックアップ　16

モンスター　1

■ベスト8：ザワワ（予選8位）

スタンダード：氷雷

フォワード　29

バックアップ　15

召喚獣　5

モンスター　1

L3構築：火氷水FFVI

フォワード　36

バックアップ　12

召喚獣　1

モンスター　1

YOKOHAMA CUP 2023


　2日目には決勝トーナメントと同じ会場で、過去のイベントで配布された各種サプライを上位賞やランダム賞で多数提供するサイドイベント『YOKOHAMA CUP 2023』が行なわれ、49名のプレイヤーにご参加いただきました。ラウンド間にも抽選を実施して終始にぎやかななかスタンダードでのスイスドロー6回戦を行ない、6戦全勝で「氷土水ヒッポカムポス」デッキのプチデビさんが優勝されています。

　来シーズン以降も、過去のサプライを配布できるイベントを検討しておりますので、ぜひとも楽しみにお待ちください。 　

▲『YOKOHAMA CUP 2023』1位：プチデビさん

■『YOKOHAMA CUP 2023』1位（6-0）：プチデビ

デッキ：氷土水ヒッポカムポス

フォワード　17

バックアップ　16

モンスター　17

準決勝

ハリガイ（スタンダード：4属性WoL／L3構築：火氷雷FFVI）
対
Flying92（スタンダード：氷雷／L3構築：火雷FFXIII）

　大きなトーナメントで着実に結果を残し、自身3度目となる『世界選手権』の権利を狙うハリガイさんと、日本に滞在しはじめたばかりというドイツからお越しのプレイヤー・Flying92さんの対戦です。Flying92さんはトップ8で唯一1日目のL3構築ラウンドを全勝しており、準々決勝でも3ゲーム目でL3構築を選択して勝利しています。

［1ゲーム目・スタンダード］
　海外で結果を残しているタイプの「氷雷」を使用しているFlying92さんは、先攻1ターン目から【18-028C】ネロで【18-019R】ヴァイスを手札に加える理想的なスタートを切ります。しかしここからハリガイさんが、事前準備から想定してきたであろうデッキ対策を見せつけます。【16-051L】セシルから【17-049C】シド・ポレンディーナ、そのまま【20-074C】採掘師と展開し、Flying92さんの【18-019R】ヴァイスがうまく機能しないよう立ち回り、その間に【17-138S】ローザと【19-119L】ウネで【12-002H】アマテラスを連打できる態勢を作ります。相手のお株を奪うコントロールを見せたハリガイさんが先勝しました。

［2ゲーム目・L3構築］
　続けて先攻のFlying92さんは1ターン目に【19-137S】ホープ、次のターンに【19-131S】ファング、【19-129S】ヴァニラ、【19-138S】ライトニングと一気に展開してダメージを2点入れますが、【20-105C】リーブが2連続でEXバーストし、ハリガイさんに手札を与えてしまいます。チャンスを得たハリガイさんはそのターン中に【18-116L】セフィロスをキャストして続くターンのアタックとあわせてフォワードを2体ブレイクし、さらに【20-007L】鬼神で【ジョブ(ルシ)】を宣言してFlying92さんのフォワードを壊滅させ、反撃を許さず勝利。フォーマットごとの勝ちパターンを見定めてきっちり遂行したハリガイさんが決勝に駒を進めました。



えあ（スタンダード：4属性光の戦士／L3構築：風土雷）
対
SKR（スタンダード：雷単／L3構築：風土）

　準決勝のもう1試合は、ともに使用者が少ないデッキで予選のスタンダードを全勝したプレイヤーどうしの対戦となりました。

［1ゲーム目・スタンダード］
　えあさんが【12-099R】セーラ ［FFL］でサーチした【5-075L】ウォルで1点づつダメージを刻みつつも、互いにバックアップを並べ合う静かな立ち上がりになります。こうなると有利なのは【19-102L】レフィアでバックアップを活用できる「4属性光の戦士」側ということで、フィールドに居続けた【19-102L】レフィアでアドバンテージを稼ぎ切ったえあさんが1ゲーム目を先取しました。

［2ゲーム目・L3構築］
　2ゲーム目はSKRさんが【18-049R】ユーリィをキャストすればえあさんは返しに【18-050L】ユフィ、SKRさんはさらに【18-139S】ノクティスで盤面を広げたうえでこちらも【18-050L】ユフィと、1ゲーム目とは打って変わって似たタイプのデッキどうしが序盤からプレッシャーをかけあう展開になります。そのまま多少の妨害を挟みつつもお互いの【18-050L】ユフィだけがダメージを刻み続け、両者ともに危険水準となったところでついにSKRさんの【18-050L】ユフィをえあさんの【18-050L】ユフィがブロックします。ここでSKRさんは【18-063C】ハシュマリムをキャスト！ 大幅にフィールドでの優位を得たSKRさんが2ゲーム目を取り返しました。

［3ゲーム目・スタンダード］
　予選上位のえあさんはスタンダードを選択。SKRさんの「雷単」はEXバーストが多いためアグロデッキには強く出れますが、アタックフェイズに入る前に【19-102L】レフィアをピンポイントで対処できるカードが少なく、単体で【19-128L】ウォーリアオブライト級のバリューを持つカードも採用されていないため、1ゲーム目同様のゆっくりとした展開になればかなり優位にゲームを進められそうです。
　そしてこのゲームも【5-075L】ウォルがダメージを刻み【19-102L】レフィアがアドバンテージを獲得する展開になりましたが、5点のダメージを入れたところでSKRさんは【18-137S】アラネアをキャストし、一度は盤面を空にすることに成功します。しかし【5-075L】ウォルのアビリティでフィールドに戻ってきた【19-102L】レフィアがまたしてもアドバンテージを稼ぎはじめ、SKRさんの二の矢は【12-002H】アマテラスと【9-068H】ドラゴンで防がれてしまいます。最後は【13-015C】ルーネスでのヘイスト付与で押し込み、えあさんが決勝への道をこじ開けました。 　

ベスト4 デッキリスト


■ベスト4：Flying92（予選3位）

スタンダード：氷雷

フォワード　28

バックアップ　15

召喚獣　6

モンスター　1

L3構築：火雷FFXIII

フォワード　34

バックアップ　10

召喚獣　6

■ベスト4：SKR（予選4位）

スタンダード：雷単

フォワード　23

バックアップ　15

召喚獣　12

L3構築：風土

フォワード　24

バックアップ　18

召喚獣　6

モンスター　2

決勝

ハリガイ（スタンダード：4属性WoL／L3構築：火氷雷FFVI）
対
えあ（スタンダード：4属性光の戦士／L3構築：風土雷）


　国内随一のトーナメント巧者として知られるハリガイさんと、予選1位通過のアドバンテージも活かして勝ち上がってきたえあさんによる最終決戦となりました。

［1ゲーム目・スタンダード］
　お互いバックアップを展開しつつ、まずはハリガイさんが低コストでキャストできる【20-075L】セシルの利点を活かしてダメージレースで優位に立ちます。さらに【15-083L】リディア、【16-119H】フースーヤと畳みかけますが、そこからえあさんも反撃に出ます。【5-146H】ウォル、【19-102L】レフィア、【18-012L】ファリスと展開しアビリティで一気に盤面を取り返そうとしますが、ハリガイさんは【20-075L】セシルのスペシャルアビリティ「イビルブラスト」をまさかの2連発！ 【19-102L】レフィアと【18-012L】ファリスの両方を落とし、さらにジョブチェンジした【16-051L】セシルから飛び出してきた【17-138S】ローザと【19-128L】ウォーリアオブライトの合わせ技でえあさんのフィールドを逆に壊滅させます。スタックの応酬を制して一気にゲームを動かしたハリガイさんが1本目を先取しました。

［2ゲーム目・L3構築］
　1ゲーム取り返してフォーマットを選択できる3ゲーム目につなげたいえあさんは【18-139S】ノクティスを先に出して抑え込みにかかりますが、ハリガイさんも【18-107L】アクスターからの【19-124L】ヤ・シュトラで【18-139S】ノクティスをブレイクし、やすやすと主導権を渡しません。えあさんも負けじと【19-103H】ティーダで【18-107L】アクスターをデッキへ戻して応戦します。
　そこからは互いにフォワードを横に広げる展開になりますが、にらみ合いに強い【20-030R】セッツァーのダル凍結アビリティでハリガイさんがじわじわとアタックを通していきます。ダメージが5点まで積みあがったところでえあさんは勝負に出て【18-137S】アラネアと【18-123L】ソノンでハリガイさんのフォワードを撃退しますが、【20-066R】イグニスを使用していたためバックアップがなくなってしまいます。返しにハリガイさんが再び【19-016H】レーヴ、【19-026H】ソーニョ、【19-079H】スエーニョと夢の三兄弟を展開すると、えあさんに勝利への道は残されていませんでした。 　



　ハリガイさんが自身3度目となる『世界選手権』への出場権利を獲得です。おめでとうございます！！！

ファイナリスト デッキリスト


■準優勝：えあ（予選1位）

スタンダード：4属性光の戦士

フォワード　19

バックアップ　19

召喚獣　12

L3構築：風土雷

フォワード　27

バックアップ　18

召喚獣　5

■優勝：ハリガイ（予選7位）

スタンダード：4属性WoL

フォワード　21

バックアップ　16

召喚獣　13

L3構築：火氷雷FFVI

フォワード　32

バックアップ　18

　『JAPAN CUP 2023』のレポートをお届けしました。残る日本代表の枠はあと1つ、4月から3シーズンにわたって全国27会場で予選を開催してきた『日本選手権 2023』の本戦を制したプレイヤーが、シーズン日本一の称号と『世界選手権 2023』への最後の切符を獲得します。大会は10月28日・29日に東京のスクウェア・エニックス本社で開催されます。

　そして、大会の配信では来シーズンのトーナメントとして、第五期となる『名人戦』のスケジュールを発表いたしました。『世界選手権 2023』の翌週から全国10地区で予選を行ない『第五期名人位決定戦』は2月24日にスクウェア・エニックス本社での開催を予定しています。オープン参加形式のトーナメントは2か月ほどの間隔が空くことになりますが、次のシーズンの公式トーナメントでも、皆さまのご参加をお待ちしております！ 　


▲準優勝：えあさん

▲優勝：ハリガイさん