第402回:『L3 Championship 2023』トーナメントレポート

 9月2日と3日の2日間にわたり、大阪府大阪市のAP大阪茶屋町にて『L3 Championship 2023』が開催されました。

 海外では『北米選手権』と『欧州選手権』を直前に控え、『世界選手権 2023』に参加するプレイヤーが本格的に決まっていく時期に差し掛かってきました。『L3 Championship 2023』は一発勝負で権利を獲得できる2日制のオープントーナメントの第2弾で、87名のプレイヤーによる熱戦が展開されました。ここではトーナメントのもようをトップ8のデッキリストとあわせてお届けいたします。


『L3 Championship 2023』生放送のアーカイブはこちら
(準々決勝 0:05ごろ~ ⇒(お昼休み)⇒ 準決勝 2:35ごろ~ ⇒ 決勝 4:10ごろ~ ⇒ 優勝者インタビュー&情報パート 5:36ごろ~) 

1日目【予選ラウンド】

 予選ラウンドはスイスドロー8回戦で行なわれました。

 「英雄の夜明け」の発売以降、L3構築の環境は「氷雷」と「風土」の2つを中心にメタゲームが展開されてきました。実際にこの大会でも「氷雷」と「風土」、そして豊富な除去で対応力に優れる「水単(土属性タッチを含む)」が全体の、そしてトップ8の半分近くを占める結果となりました。
 特筆すべきは『日本選手権 2023 Autumn』でも上位デッキに名を連ねてきた各種「FFVI」デッキです。使用者こそ伸びなかったもののトップ8に3人を送り込んでおり、いわゆる勝ち組のポジションとなりました。この結果は『JAPAN CUP 2023』など、L3構築が採用されている今後のトーナメントにも影響を及ぼしそうです。

 スイスドロー8回戦が終了し、7勝1敗の4名と、6勝2敗の7名からタイブレークの上位4名が翌日の決勝トーナメントで日本代表の座を争うことになりました。

▲トップ8の顔ぶれ

準々決勝


大会2日目の決勝トーナメントはデッキリストを公開のうえ、すべて80分間の2本先取で争われました。


準々決勝(結果)

ちょーぎょーじ(火氷水FFVI) 2-1 ハリガイ(火氷雷FFVI)
しど(風土) 2-1 サトツ(水単)
MANASOURCE(火雷FFXIII) 2-1 むむ(火氷雷FFVI)
riru(風土) 2-1 正義(氷雷)
 

ベスト8 デッキリスト

※リスト内のカード名は、クリックするとカード画像が表示されます。



OSAKA CUP 2023


 2日目には決勝トーナメントと同じ会場で、過去のイベントで配布された各種サプライを上位賞やランダム賞で多数提供するサイドイベント『OSAKA CUP 2023』が行なわれ、57名のプレイヤーにご参加いただきました。ラウンド間にも抽選を実施して終始にぎやかななかL3構築でのスイスドロー6回戦を行ない、6戦全勝で「風土雷」デッキのひれひれ(∵)さんが優勝されています。

 10月8日には『JAPAN CUP 2023』のサイドイベントとして『YOKOHAMA CUP 2023』を開催しますので、本戦以外の楽しみのひとつとしてご期待ください。  

▲『OSAKA CUP 2023』1位:ひれひれ(∵)さん

準決勝


riru(風土) 対 MANASOURCE(火雷FFXIII)

 ともに和歌山のショップ「マナソース」を中心に活動するコミュニティのプレイヤーによる対決となりました。前評判こそ低くなっていたものの環境随一の速攻デッキである「火雷FFXIII」が、「風土」の盤面が整う前にダメージを7点まで積み上げられるかが勝負の分かれ目となります。

[1ゲーム目]
 先攻のriruさんは初手にバックアップがなく、【18-050L】ユフィからのスタートという苦しい展開。MANASOURCEさんはその隙を見逃さずわずか3ターンで7ダメージをたたき出し、貴重な後攻での1勝をもぎ取ります。

[2ゲーム目]
 1ゲーム目と同じく怒涛の展開からMANASOURCEさんが攻勢に出ますが、ちょうど5点目のダメージで【19-047C】謎のじいさんがめくれ、EXバーストによる【19-137S】ホープのブレイクがゲームの分水嶺となります。riruさんは【18-139S】ノクティスから盤面を整えて丁寧に押し返し、ゲームカウントは1-1のタイにもつれ込みました。

[3ゲーム目]
 2ゲーム目からの悪い流れを引きずったかのように、今度はMANASOURCEさんのドローが冴えません。好機を逃さず【18-139S】ノクティス【18-049R】ユーリィとキーカードをそろえて最良の盤面を完成させたriruさんが押し切り、決勝に駒を進めました。


ちょーぎょーじ(火氷水FFVI) 対 しど(風土)

 かたや【18-139S】ノクティスによる除去しつつの展開を擁する「風土」、かたや【18-107L】アクスターからつながる【19-124L】ヤ・シュトラの「火氷水FFVI」という、ともに強力な切り返し手段を持っているデッキの対決は派手に盤面を取り合うゲームになるかと思われましたが、勝敗を決定づけたのはコンバットトリックによるシンプルな攻防でした。

[1ゲーム目]
 応酬の末に手札0枚、フィールドにはダル凍結した【18-050L】ユフィのみという状況までちょーぎょーじさんがしどさんを追い込みますが、そこからしどさんが目を見張るドローを見せます。【19-103H】ティーダ【18-054L】ガラフと続けて引いて盤面をほぼ五分まで持ち直すと、ちょーぎょーじさんのアタックには2ターン連続で【18-063C】ハシュマリムを的確に合わせ、一方的に打ち取ることに成功します。4ターンの間に形勢をひっくり返したしどさんがゲームを先取しました。

[2ゲーム目]
 ちょーぎょーじさんが順調にバックアップを伸ばしていく一方で、しどさんはバックアップの展開が早々に止まってしまいます。「風土」は1ゲーム目でも活躍した【18-054L】ガラフ【18-050L】ユフィなどの1枚でゲームに大きな影響を与える強力なフォワードを多数採用していますが、当然要求されるCPも相応のものになっているため十分にバックアップを並べられないと万全な動きができません。【18-038C】カイツのアクティブ能力で凍結をかわすなど細かい工夫でしどさんも粘りますが、今度はちょーぎょーじさんが逆転を許さず、ゲームを取り返しました。

[3ゲーム目]
 がっぷり四つの展開で互いに手札は0枚、ちょーぎょーじさんのフィールドにはフォワードが4体、しどさんのフィールドにはダル状態の【18-054L】ガラフとパワー10000の【18-050L】ユフィという状況でちょーぎょーじさんにターンが回り、迷いなく【19-079H】スエーニョ1体でのアタックをしかけます。【18-050L】ユフィが無事に次のターンまで生き残れば大幅に有利になるしどさんとしては、【19-089H】ガウによるコンバットトリックという危険が伴うブロックには参加させたくないところですが、【19-124L】ヤ・シュトラを筆頭にダメージを削り切る力が強い「火氷水FFⅥ」相手に4点目をあっさり差し出すわけにもいきません。この緊迫した場面でしどさんはひとまず【19-079H】スエーニョのアタックは通してEXバーストを確認し「多色デッキがそんなに都合よく【19-089H】ガウと水属性のカードを引くわけがない……!」と呟いてから2体目のアタッカーである【19-026H】ソーニョをブロックするという選択をとります。そしてブロック成立後、ちょーぎょーじさんの手札から現れたのは【19-125H】モグ [VI]をコストにしての【19-089H】ガウ! 劇的なトップデッキで一気に盤面の優位をもぎ取ったちょーぎょーじさんが勝利し、決勝進出を果たしました。  

ベスト4 デッキリスト


決勝


riru(風土) 対 ちょーぎょーじ(火氷雷FFVI)

 『MASTERS 2021 FINAL』『THE AFTER』で2日連続のファイナリストとなったことでも知られるriruさんと、5月の『Standard Championship 2023』に続いてのベスト8進出を果たしたちょーぎょーじさんによる、悲願の大型トーナメント優勝と日本代表の座を懸けた決勝となりました。

[1ゲーム目]
 にらみ合いの状況から先に動いたriruさんが【18-139S】ノクティスをキャストしてアビリティによって盤面を掌握しようとしますが、返しのターンでちょーぎょーじさんも動きます。【20-042L】ロックからの【18-107L】アクスター、その効果で【19-124L】ヤ・シュトラも登場し、一気にriruさんの攻め手を崩します。riruさんも再び【18-139S】ノクティスからの【20-066R】イグニスで立て直しますが、返しのターンで【19-124L】ヤ・シュトラのダメージと【19-003R】エドガーのスペシャルアビリティが火を噴いてブロッカー陣をなぎ倒し、ちょーぎょーじさんが優勝へ先にリーチをかけます。

[2ゲーム目]
 riruさんのキーカード【18-139S】ノクティスに対し、ちょーぎょーじさんは【18-131S】イドラから出した【19-124L】ヤ・シュトラのアタックで排除を図ります。しかしアタック前にriruさんがキャストした【18-136S】タイタン【18-139S】ノクティスを守り【19-124L】ヤ・シュトラを退場させます。これがターニングポイントとなり、盤面のパワーでの優位を活かしたriruさんが押し切って、優勝の行方は最終ゲームに委ねられました。

[3ゲーム目]
 初めて先攻となったちょーぎょーじさんが【20-042L】ロック【20-031R】セリスをそろえてイニシアチブを握ると思われましたが、ダメージでめくれた【19-103H】ティーダ【20-042L】ロックをデッキに送り、簡単な展開を許しません。中盤以降【20-084R】レオからの【18-049R】ユーリィ【18-052H】アーリマン【18-139S】ノクティスと順調にフィールドを整えていくriruさんに対し、ちょーぎょーじさんはフォワードの数でもパワーラインでも追いつくことができません。ついには【18-139S】ノクティスと側近の【20-066R】イグニス【18-135S】グラディオラス【18-134S】プロンプトがすべて盤上にそろい、全員のアタックにより熱戦に決着がもたらされました。  



 riruさんが悲願の優勝を果たし『世界選手権 2023』への出場権利を獲得です。おめでとうございます!!!

ファイナリスト デッキリスト


 『L3 Championship 2023』のレポートをお届けしました。次回の日本代表を決定するトーナメントは、10月7日・8日に横浜で開催される『JAPAN CUP 2023』です。そして、全国27会場での予選も残りわずかとなった『日本選手権 2023』は10月28日・29日にスクウェア・エニックス本社で本戦を行ない、最後の日本代表が決まります。

 いよいよ佳境を迎える2023シーズン。今後の公式トーナメントでも、皆さまのご参加をお待ちしております!  


▲準優勝:ちょーぎょーじさん

▲優勝:riruさん