第383回:『Standard Championship 2023』トーナメントレポート

 5月27日と28日の2日間にわたり、愛知県名古屋市のIMYホールで『Standard Championship 2023』が開催されました。

 『世界選手権 2023』への参加権利を懸けた2日制トーナメントの第1弾となる今大会。北米やヨーロッパは予選を展開し秋の大陸選手権で代表を選出する方式のため、2020年にかけて参加権利を確保していた一部のプレイヤーを除けば、優勝者は世界最速クラスで権利を獲得できることになります。

 本戦は95名ものプレイヤーにご参加いただき、併催イベントとあわせてとてもにぎやかな2日間となりました。ここではトーナメントのもようをトップ8のデッキリストとあわせてお届けいたします。


『Standard Championship 2023』生放送のアーカイブはこちら
(準々決勝 0:10~1:27 ⇒(お昼休み)⇒ 準決勝 2:40~3:30 ⇒ 決勝 3:40~4:53 ⇒ 優勝者インタビュー&情報パート 4:53~) 

1日目【予選ラウンド】

 予選ラウンドはスイスドロー8回戦という長丁場で行なわれました。

 スタンダード環境は【19-128L】ウォーリアオブライトに代表される多属性の強力なカードを軸に展開しており、それに呼応してバックアップのブレイクや氷属性によるダル凍結戦略などがフォーカスされ、あらゆる角度や速度のデッキにガードを下げられないという状況で大会を迎えました。デッキ95個の分布とトップ8の顔ぶれは以下のとおりとなっています。

 スイスドロー8回戦が終了し、7勝1敗の3名と、6勝2敗の11名からタイブレークの上位5名が翌日の決勝トーナメントで日本代表の座を争うことになりました。

トップ8の顔ぶれ

準々決勝


大会2日目の決勝トーナメントはデッキリストを公開のうえ、すべて80分間の2本先取で争われました。


準々決勝(結果)

ありか(4属性光の戦士) 2-0 ちょーぎょーじ(氷雷)
あずさ(氷雷) 2-0 たるほ(氷雷)
Kakka(4属性WoL) 2-1 しど(4属性WoL)
enchabi(火雷FFXIII) 2-0 レオン(火土水)
 

ベスト8 デッキリスト

※リスト内のカード名は、クリックするとカード画像が表示されます。



NAGOYA CUP 2023


 28日には、過去のイベントで配布された各種サプライを上位賞やランダム賞で多数提供する『NAGOYA CUP 2023』が行なわれ、66名のプレイヤーにご参加いただきました。ラウンド間にも抽選を実施して終始にぎやかななかスタンダードでのスイスドロー6回戦を行ない、唯一の6戦全勝で「風単」デッキのaaaaさんが優勝されています。

 秋に開催する『L3 Championship 2023』と『JAPAN CUP 2023』でも同様のイベントを計画していますので、本戦以外の楽しみのひとつとしてご期待ください。  


準決勝


Kakka(4属性WoL) 対 enchabi(火雷FFXIII)

 準々決勝でしどさんとの歴代名人どうしによるミラーマッチを制したKakkaさんと、大量の召喚獣と【16-090R】シーモアを採用したこれまでとは異なるアプローチの「火雷FFXIII」を使いこなすenchabiさんの対戦となりました。

[1ゲーム目]
 【11-128H】セーラ姫を風属性の指定で出すのみで1ターン目を終えたKakkaさんに対し、enchabiさんは【13-085R】ルミナから【18-013R】ファングを経由しての【19-137S】ホープ、そして【19-138S】ライトニングをサーチという「火雷FFXIII」の黄金パターンで動きます。しかしここには【15-082H】ヘカトンケイルが刺さり、enchabiさんは【19-138S】ライトニングで1点ずつダメージを刻みますがなかなか後続を引くことができません。そうこうしているうちにKakkaさんのフィールドには【19-119L】ウネ【19-128L】ウォーリアオブライトが並び、ひっくりかえせないと判断したenchabiさんが投了。序盤の攻勢をきっちりしのぐことに成功したKakkaさんが先勝しました。

[2ゲーム目]
 先攻のenchabiさんは【18-013R】ファングからの【19-137S】ホープでまたしてもロケットスタートをきります。しかしKakkaさんも【12-097H】シルドラを経由しての【18-054L】ガラフ&コスト軽減での【19-119L】ウネと、「火雷FFXIII」のお株を奪うかのような初動で返します。enchabiさんは【19-119L】ウネこそ退けることに成功しますが、【18-054L】ガラフまでは手が回らず、【19-137S】ホープが除去された後はフォワードを出すことができずバックアップを並べるしかありません。お互いにバックアップを並べ合う展開となれば有利なのは【19-128L】ウォーリアオブライトを擁する「4属性WoL」ということで、終始「火雷FFXIII」の得意な動きを許さなかったKakkaさんがストレートで決勝に駒を進めました。


ありか(4属性光の戦士) 対 あずさ(氷雷)

 3月の『MASTERS 22-23 THE AFTER』でも「氷雷」でベスト4に入賞しているあずささんと、準々決勝で予選1位通過のちょーぎょーじさんを下した「4属性光の戦士」デッキのありかさんの対戦。ダル凍結が妨害手段の軸となる「氷雷」にとって、キャラクターを一度にアクティブにする「光の戦士」デッキの【19-102L】レフィアは天敵とも言える存在で、これをどうさばいていけるかが見どころです。

[1ゲーム目]
 バックアップを並べ合う展開から、ありかさんが【19-102L】レフィアを繰り出します。すかさずあずささんは【6-102R】ラムウで倒そうとしますが【9-068H】ドラゴンに阻まれ、そのまま相手の脅威をデッキに戻し続けたありかさんが隙を与えず勝利しました。

[2ゲーム目]
 ありかさんはまたしても【19-102L】レフィアをフィールドに送り込みます。あずささんも今度は【18-034R】ラスウェル【18-116L】セフィロスと駆使してなんとか続けて対処しますが、ありかさんは続くターンで都合3枚目の【19-102L】レフィアをキャストし、あずささんを追い込んでいきます。あずささんも粘りを見せますが、【12-109L】レナ【18-111L】バッシュなどでフォワードを展開し続けたありかさんがとうとうフィールドを完全に掌握し、2ゲームを連取しました。  

ベスト4 デッキリスト


決勝


Kakka(4属性WoL) 対 ありか(4属性光の戦士)

 95名による2日間のトーナメントも残すは決勝戦のみ。第1回からの『世界選手権』連続出場を4に伸ばせるかが懸かる「4属性WoL」デッキのKakkaさんと、「4属性光の戦士」デッキで「氷雷」を連続で打ち倒し、ここまでトーナメントにセンセーショナルな印象を与えてきたありかさんによる対戦です。

[1ゲーム目]
 先攻のKakkaさんは初動【18-055R】クルルから2ターン目は【9-068H】ドラゴン(ブレイクゾーン除外&1枚ドロー)という苦しい立ち上がり。対するありかさんも打点となるフォワードを思うように展開できず、【8-083C/1-117R】ヘカトンケイルを使い回してKakkaさんにバックアップをそろえさせないプランを取りますが、堅実にバックアップを並べたKakkaさんが【19-128L】ウォーリアオブライトを着地させ、アタックを開始します。ありかさんも対抗して動きますが【19-102L】レフィアに対しては【16-136S】アーロン【5-146H】ウォルに対しては【15-119L】ポロムが要所で刺さり、そのまま押し切ったKakkaさんが日本代表に王手をかけます。

[2ゲーム目]
 先攻のありかさんは後攻1ターン目にキャストされたKakkaさんの【18-055R】クルル(ブレイクゾーンの【12-097H】シルドラを選択)に対して【9-068H】ドラゴンでブレイクゾーンを除外し、返しのターンでは【12-109L】レナを繰り出して序盤から積極的に動いていきます。Kakkaさんはバックアップを整えてからの【19-128L】ウォーリアオブライト【17-138S】ローザ【19-102L】レフィアを抑え込む構えを取りますが、先に起動条件である【ジョブ(光の戦士)】4体をそろえたありかさんが相手のフォワードをどんどんデッキに戻していきます。ピンチを迎えたKakkaさんは起死回生の【16-119H】フースーヤをキャストし、飛んできた【12-002H】アマテラスにも【9-068H】ドラゴンを撃ちますが、それに対してありかさんも【9-068H】ドラゴンをキャスト。勝負所での召喚獣による応酬を制したありかさんがゲームを取り返し、日本代表の行方は3ゲーム目に委ねられました。

[3ゲーム目]
 Kakkaさんは【19-068R】リディア、ありかさんは【7-114H】セーラ[FFL]でスタートします。ありかさんは次のアクションがフォワードの【12-109L】レナでバックアップが伸びない展開となりますが、Kakkaさんは【19-068R】リディアで持ってきた【12-097H】シルドラから【10-121C】モーグリ-4組-【13-093H】サラ【11-128H】セーラ姫と順調にバックアップを並べていきます。この間にダメージを稼いでプレッシャーをかけたいありかさんは【19-102L】レフィア【18-111L】バッシュと戦線を広げますが、Kakkaさんの出した5体目のバックアップ【1-107L】シャントットですべて除外されてしまいます。Kakkaさんはバックアップの枚数差を活かして【19-128L】ウォーリアオブライト【17-138S】ローザ【16-136S】アーロンと盤石なフィールドを構築し、ありかさんの反撃は【19-119L】ウネ【16-119H】フースーヤでシャットアウト。そのまま勢いよく7点目までダメージを与え、『Standard Chanpionship 2023』のチャンピオン、そして日本代表の座を勝ち取りました。  



Kakkaさんは第1回から4大会連続で『世界選手権』の出場権利を獲得されたことになります。おめでとうございます!!!

ファイナリスト デッキリスト


 『Standard Championship 2023』のレポートをお届けしました。次回の日本代表を決定するトーナメントは、9月2日・3日に大阪で開催される『L3 Championship 2023』です。3か月ほどの間を挟みますが、この週末からはすでに『日本選手権 2023 Summer』がスタートしており、『世界選手権 2023』へとつながるシーズンはこれからさらに本格化していきます。今後の公式トーナメントでも、皆さまのご参加をお待ちしております!  


▲準優勝:ありかさん

▲優勝:Kakkaさん