第575回:Decks of the Month 今月のデッキ(2026年6・7月)

 ライター・たるほさんによる、その月に活躍したデッキやメタゲームを解説するマンスリーコラム。
 今回は6・7月に開催された『MASTERS 2026 2nd season』の結果をおさらいし、『夢幻の海』環境のスタンダードについてまとめます。

【今回のトピックス】

1. 5月までとは潮目が変わった『MASTERS 2026 2nd season』のメタゲーム
2. 環境終盤で伸びたデッキと伸び悩んだデッキ
3. 海のように多様な環境が生まれた2つの要因とは!?

 みなさんこんにちは。『FFTCG』公式記事ライターのたるほです。

 今回は『Standard Championship 2026 1st』を経て、6月から7月に行われた『MASTERS 2026 2nd season』の振り返りと、『夢幻の海』シーズンのスタンダード環境のメタゲームを総括していこうと思います。

『MASTERS 2026 2nd season』の振り返り

 まずは『MASTERS 2026 2nd season』の各大会を振り返りましょう。

 『MASTERS 2026 2nd season』は6月6日の大津から7月18日の大阪まで、全国8会場で行われました。
 以下に各大会における上位入賞デッキと使用率トップのデッキをまとめます。

『MASTERS 2026 2nd season 大津』

優勝:「コスト3WoL」
準優勝:「戦士」
ベスト4:「氷雷モンスター」「戦士」

使用率トップ:「戦士」(18.75%)

『MASTERS 2026 2nd season 横浜』

優勝:「氷風クリスタル」
準優勝:「風水モンスター」
ベスト4:「MBM」「風水モンスター」 ベスト8:「ヴァーサタイル」「風土」「風単」「風氷クリスタル」

使用率トップ:「氷風クリスタル」「コスト3WoL」「戦士」(各9.09%)

『MASTERS 2026 2nd season 下関』

優勝:「MBM」
準優勝:「水単モンスター」
ベスト4:「コスト3WoL」「戦士」

使用率トップ:「コスト3WoL」(25%)

『MASTERS 2026 2nd season 札幌』

優勝:「土水モンスター」
準優勝:「火単」
ベスト4:「戦士」「火単」

使用率トップ:「火単」(33.33%)

『MASTERS 2026 2nd season 高松』

優勝:「土水カオスアーク」
準優勝:「コスト3WoL」
ベスト4:「氷風クリスタル」「コスト3WoL」

使用率トップ:「氷風クリスタル」「コスト3WoL」(21.74%)

『MASTERS 2026 2nd season 秋田』

優勝:「騎士」
準優勝:「氷風クリスタル」
ベスト4:「氷雷ドン・コルネオ」「水単タッチ雷」

使用率:全デッキ同数

『MASTERS 2026 2nd season 静岡』

優勝:「戦士」
準優勝:「風水モンスター」
ベスト4:「戦士」「ライトニング」
ベスト8:「風土」「氷水FFX」「火単マギサ」「竜騎士」

使用率トップ:「戦士」(19.44%)

『MASTERS 2026 2nd season 大阪』

優勝:「戦士」
準優勝:「光の戦士」
ベスト4:「戦士」「ライトニング」
ベスト8:「風水モンスター」「氷水クリスタル」「FFXII」「MBM」

使用率トップ:「MBM」(14.29%)

 環境の変化としてまず目を引くのが、『Standard Championship 2026 1st』でも人気を集めた「戦士」や「コスト3WoL」といったデッキが成績や使用率において高いアベレージを残すなか、同じく環境の中心にいた「土単」がここに来て急激に数を減らしているということです。

 『夢幻の海』初期環境に見られたフォワードによる白兵戦を中心としたメタゲームへの刺さりのよさから非常に活躍したデッキでしたが、『Standard Championship 2026 1st』で大きな結果を残せなかったことから一線から退くかたちとなりました。


 一方で、「MBM」や「風氷クリスタル」といったデッキが数を増やしてきたこともメタゲームの大きな変化として見て取れます。

 両デッキとも『夢幻の海』で登場した新テーマでありつつ、国内よりも海外のメタゲームにおいて先に頭角を現してきたデッキでしたが、『Standard Championship 2026 1st』のあたりから国内でも使用率を伸ばしてきました。


 また、環境も終盤に差し掛かってメタゲームの輪郭がくっきりしてきたことで、そこを刺そうとする挑戦的なデッキが上位入賞していることも『MASTERS 2026 2nd season』の特徴的な点と言えるでしょう。

『夢幻の海』環境の総括

 『夢幻の海』シーズンは全国各地で行われた『MASTERS 2026』の計16大会に加え、大型トーナメントである『Standard Championship 2026 1st』も開催されるなど、トーナメントシーンが活発なシーズンでした。『夢幻の海』が与えたインパクトに加え、カードの使用制限といった環境の動きもあり、いつも以上に変化の大きなメタゲームだったように思われます。


 このような変化が訪れた理由はなにか?

 もちろん1つは『夢幻の海』で登場したテーマが優れたポテンシャルを有していたことにあったと思います。

 「カモメ団」「ライトニング」「MBM」「氷風クリスタル」と、すでにトーナメントで成果を挙げているものだけでも4つのデッキが環境入りを果たしています。あるいはまだ見つけられていない第5、第6のデッキもあるかもしれません。

 またもう1つの理由として「光の戦士」がカードの使用制限による影響を受けたことにより、二極化傾向にあった環境のバランスが調整された点もあると考えています。

 「光の戦士」は逆転が極めて難しい盤面を完成させることでマウントを取るデッキで、EXバーストによる強固な守りも兼ね備えており、これによりメタゲーム上では対戦のレンジに一種の時間制限(ミッドレンジ帯以降のデッキは時間内に勝利を収めるのが難しい)が設けられているという構造でした。

 こうした制限があるなか、「光の戦士」の対抗勢力として活躍したのが「騎士」「カオスコンボ」「FFIVユウナ」といったアグロデッキでした。これらは単純な速度だけでなく高いデッキ強度を持ち合わせており、「光の戦士」に留まらずミッドレンジ帯のデッキ全般に対して安定した勝率を保つことができました。

 ゲームレンジの異なる強力なデッキの台頭により、デッキ単位で対策を取ることが難しく、結果としてスタンダード環境はアグロ対コントロールの二極化したメタゲームが続くこととなります。

 そこにカードの使用制限でついに「光の戦士」がパワーダウンしたことで環境の二極化が緩和され、この間にポテンシャルを高めてきたデッキや新テーマのデッキが活躍するための舞台が整い、メタゲームの多様性を生み出す要因になったと考えられます。



 特にこの影響が大きかったと感じられるのが「土単」の活躍です。現在「光の戦士」以外では数少ない【19-128L】ウォーリアオブライトのキャストを目指すデッキであり、「光の戦士」全盛の時代にはお株を奪われ気味でしたが、『夢幻の海』環境では【19-128L】ウォーリアオブライトを使える優位性も相まって非常に注目を集めてきました。

 また「騎士」も「光の戦士」の減少によるあおりを大きく受けたデッキだったと思われます。こちらは直接的な影響というわけではありませんが、「光の戦士」は苦手だが「騎士」には優位を取れるデッキが活躍しやすくなったことにより、プレイヤー側の選択肢が増えたことに起因していると考えられます。それによって「騎士」の使用率が落ち着いたことによりポテンシャルを発揮できるデッキも台頭したと考えられます。「氷風クリスタル」などはその筆頭と言えるでしょう。

 もちろん「騎士」自体のデッキパワーが下がったわけではなく、『夢幻の海』シーズンも要所でキッチリと活躍を見せていたため、今後も継続してメタゲームに残り続けることは間違いありません。

 新たに登場した優れたテーマと、カードの使用制限による環境のバランス調整がうまく機能した結果、さまざまなデッキに活躍のチャンスがあるメタゲームが生み出されたのが『夢幻の海』シーズンのスタンダード環境だったと言えるでしょう。

 そんな『夢幻の海』シーズンもついに終わりを迎え、この8月からはいよいよ『至福の永劫』シーズンが開幕します。

 『MASTERS 2026』の最後の8大会『3rd season』と決勝大会『MASTERS 2026 FINAL』、そして『Standard Championship 2026 2nd』と、大型のトーナメントが数多く控えています。新たな環境を迎え、多様化したメタゲームはどのような歩みを進めるのか今後も注目していきたいと思います。


 それではまた次回の記事でお会いしましょう!