第562回:Decks of the Month 今月のデッキ(2026年5月)

 ライター・たるほさんによる、その月に活躍したデッキやメタゲームを解説するマンスリーコラム。
 今回は『Standard Championship 2026 1st』が開催された5月のスタンダードを掘り下げます。

【今回のトピックス】

1. 環境はどう動いた? 4~5月のメタゲームをおさらい
2. そして『Standard Championship 2026 1st』の結果は!?
3. 新デッキの活躍と、結果を残したデッキの勝因

 みなさんこんにちは。『FFTCG』公式記事ライターのたるほです。

 5月は環境の節目となる公式トーナメント『Standard Championship 2026 1st』が開催されました。今回はそこに至るまでの『MASTERS 2026 1st season』とあわせておさらいしながら『夢幻の海』環境前半戦について考察していこうと思います。

『MASTERS 2026 1st season』のおさらい

 まずは『MASTERS 2026 1st season』の結果から『Standard Championship 2026 1st』直前までの『夢幻の海』環境におけるメタゲームの変遷を見てみましょう。

 『MASTERS 2026 1st season』は4月4日の千葉から5月17日の岐阜まで、全国8会場で行われました。以下で各大会における上位入賞デッキと使用率トップのデッキをまとめます。

『MASTERS 2026 1st season 千葉』

優勝:「カモメ団」
準優勝:「ライトニング」
ベスト4:「火単」「カモメ団」
ベスト8:「カモメ団」×2「土単」「風水モンスター」

使用率トップ:「カモメ団」(14.3%)

『MASTERS 2026 1st season 神戸』

優勝:「土単」
準優勝:「ライトニング」
ベスト4:「土単」、「ライトニング」
ベスト8:「土単」×2「風水モンスター」「火単」

使用率トップ:「土単」(17.9%)

『MASTERS 2026 1st season 福島』

優勝:「騎士」
準優勝:「光の戦士」
ベスト4:「風水モンスター」「騎士」

使用率トップ:「土単」(20.0%)

『MASTERS 2026 1st season 鹿児島』

優勝:「土単」
準優勝:「土単」
ベスト4:「風水モンスター」「カモメ団」

使用率トップ:「土単」(37.5%)

『MASTERS 2026 1st season 金沢』

優勝:「MBM」
準優勝:「コスト3WoL」
ベスト4:「FFVIII」「土水」

使用率トップ:「土単」(20.0%)

『MASTERS 2026 1st season さいたま』

優勝:「風水モンスター」
準優勝:「風単」
ベスト4:「コスト3WoL」×2
ベスト8:「戦士」、「土単」、「風土FFXII」、「ライトニング」

使用率トップ:「風水モンスター」「土単」「コスト3WoL」(各12.3%)

『MASTERS 2026 1st season 岡山』

優勝:「戦士」
準優勝:「コスト3WoL」
ベスト4:「カモメ団」「ライトニング」
ベスト8:「コスト3WoL」「風水モンスター」「騎士」「ライトニング」

使用率トップ:「ライトニング」「土単」(各8.5%)

『MASTERS 2026 1st season 岐阜』

優勝:「風土FFXII」
準優勝:「コスト3WoL」
ベスト4:「風水モンスター」、「コスト3WoL」
ベスト8:「コスト3WoL」「ライトニング」「麒麟」「戦士」

使用率トップ:「ライトニング」「コスト3WoL」(各12.8%)

 非常にざっくり振り返ると、開幕戦(千葉)での「カモメ団」の優勝を受けて以降、長い期間「土単」が使用率の上位を占め、5月あたりからは「コスト3WoL」や「風水モンスター」、「ライトニング」などが増えて環境が徐々に「土単」へと適応してきていることが見てとれます。


 次に上位入賞デッキですが、8回の大会で7つの異なるデッキタイプが優勝しています。

 特に注目したいのは「風水モンスター」の活躍です。金沢以外の7大会で上位入賞しており、さいたま大会に至っては使用率トップかつ優勝という結果を出しています。「光の戦士」や「風単」といったコントロール系のデッキが数を減らしているなか、新たなタイプのコントロールデッキとして着実にその地位を固めてきた印象を受けます。

 また「戦士」は使用率こそ伸びないものの5月以降のトーナメントではすべて上位入賞しており、このころから復権の兆しを見せつつありました。その点では「コスト3WoL」もシーズン後半につれてじわじわと数を増やしています。

 その反面、4月に環境を引っ張っていた「土単」は5月以降では入賞数自体も減ってきています。

『Standard Championship 2026 1st』の振り返り[デッキ分布]

 直前までの大会結果をまとめたところで、ここからは『Standard Championship 2026 1st』を振り返ります。全国各地から集まった99名のプレイヤーによる一大トーナメントのデッキ分布は以下のようになりました。

 実に35種にわたるデッキタイプが持ち込まれ、『夢幻の海』がもたらした環境の広がりを体現したかのようなトーナメントでしたが、使用率最多となったのは「戦士」でした。

 先述の通り『MASTERS 2026 1st season』での使用率は伸び悩んだ印象がありましたが、最後の3大会では連続で上位入賞しており、岡山大会では優勝を果たすなど確実に勢いを増してきた「戦士」にこのタイミングで人気が集まったようです。
 それに次いで2番目に人気を集めた「コスト3WoL」は金沢大会での準優勝以降はすべての大会で上位入賞と勢いを増しており、このシェアも納得です。
 ここまでの環境で長く人気を集めた「土単」は使用率3位でした。上位に顔を出す機会は減りつつありましたが根強い人気は衰えることがありませんでした。

 飛び抜けた数のデッキがいない一方で、「土単」の人気を「戦士」「コスト3WoL」が逆転したのは、やはり直近のトーナメントの影響が大きかったと言えるでしょう。もちろん「騎士」「ライトニング」「風水モンスター」「カモメ団」など、『MASTERS 2026 1st season』で活躍を見せた面々も上位に顔をそろえています。

『Standard Championship 2026 1st』の振り返り[決勝トーナメント]

 予選ラウンドのスイスドロー8回戦を勝ち上がり、2日目の決勝ラウンドに駒を進めたデッキと、決勝トーナメントの結果はこのようになりました。


■トップ8の使用デッキ

 使用率上位の「戦士」「コスト3WoL」が順当に勝ち残った一方で、「土単」は予選で姿を消す結果となりました。

 また、コンスタントに上位入賞してきた「風水モンスター」「ライトニング」や岐阜大会で優勝している「風土FFXII」など、『MASTERS 2026 1st season』で実力を示してきたデッキたちもトーナメントに名を連ねました。

 真新しいデッキとしては【28-118L】ゴルベーザ【20-093H】黒竜のギミックを【11-124H】リルムに代わって採用した「水単モンスター」と、【カテゴリ(XIV)】のギミックを土台に【16-129L】カオス【19-105H】アークを組み込んだ「雷水」が勝ち上がっています。

 ※トップ8のデッキリストはトーナメントレポートで見ることができます。


■決勝トーナメント

 準々決勝は片側では「風水」「水単」と構成の異なるモンスターデッキ、逆側ではともに「戦士」が勝利し、これにより準決勝の結果にかかわらず決勝は「戦士」VS「モンスター」になることが確定しました。

 準決勝は2試合とも同じタイプのデッキどうしかつ、『世界選手権』出場経験者と初出場を狙うプレイヤーの対決という構図になりましたが、eurekaさんとありかさんが再び『世界選手権』への参加権利を獲得する結果になりました。

 両プレイヤーとも過去の『Standard Championship』で準優勝の実績があり、互いに初優勝を懸けた戦いでしたが、ゲームカウント2-1でありかさんの「戦士」が勝利。ありかさんが悲願の初優勝を果たしました。おめでとうございます!


 「戦士」は2月の『第七期名人位決定戦』に続いて連続で大型の公式トーナメントを制したこととなり、2つの環境をまたいでそのポテンシャルを見せつける結果となりました。

『夢幻の海』シーズンのスタンダード環境

 さて、ここからは大会の結果を踏まえて『夢幻の海』シーズンのスタンダード環境の前半戦について考察していきましょう。

 『Standard Championship 2026 1st』では「戦士」「コスト3WoL」など『発見の旅路』シーズンでも活躍していたデッキが結果を残した一方で、決勝トーナメントのおよそ半分は『夢幻の海』から頭角を現したデッキが占めました。

 これは『夢幻の海』の新カードによって既存デッキが強化、新たなデッキタイプが創出されたのはもちろんのこと、カードの使用制限の施行により環境に新陳代謝が起こったのも大きな要因と言えるでしょう。
 この点に関しては【11-124H】リルムを失ってもなお台頭してきた「風水モンスター」「水単モンスター」や、『夢幻の海』の新カードを採用することなく決勝トーナメントに勝ち上がった「風土FFXII」の存在からも感じ取れます。

 こうした変化から多様化していった環境を「戦士」が制したわけですが、環境初期に一定数いた難敵の「火単」が「土単」の流行によって数を減らした結果、火属性の除去と氷属性のダル・凍結で幅広くキャラクターに対応できる長所が活き『Standard Championship 2026 1st』の舞台で再び勝てるタイミングが回ってきたのはある種当然の流れだったのかもしれません。

 そのうえで『夢幻の海』シーズンでもう一度大型のトーナメントがあれば、正解はまた別のデッキになったのではないかと思えるくらいそれぞれのデッキがポテンシャルを感じさせる結果でもありました。今後行われる『MASTERS 2026 2nd season』が答え合わせをしてくれることになるでしょう。

 『Standard Championship 2026 1st』が幕を閉じ、ひとつの区切りを迎えた『夢幻の海』環境ですが、シーズンはまだ1か月ほど残っています。今回の結果を踏まえ、現在開催中の『MASTERS 2026 2nd season』でどのように環境が変遷していくのか注目です。


 それではまた次回お会いしましょう!