第531回:Decks of the Month 今月のデッキ(2025年12月)

 ライター・たるほさんによる、その月に活躍したデッキやメタゲームを解説するマンスリーコラム。
 2026年最初の今回は、国内での『発見の旅路』環境が本格的にスタートした昨年12月のスタンダードを掘り下げます。

【今回のトピックス】

1. 開幕した『第七期 名人戦』の優勝デッキをおさらい
2. 早くも活躍する『発見の旅路』の新カード
3. 頻出するカードと有力デッキの共通点とは?

 みなさんあけましておめでとうございます。『FFTCG』公式記事ライターのたるほです。2026年も連載記事を通じて『FFTCG』を盛り上げていきたいと思いますので、よろしくお願いいたします。

 今回は昨年12月に開催された『第七期 名人戦』の地区予選の結果をもとに、『発見の旅路』シーズンのスタンダード環境をのぞき見ていこうと思います。

 冬の風物詩『名人戦』のスタンダード環境はどのような様相となっているのか考察していきますので、ぜひチェックしてみてください。

12月の公式トーナメント活躍デッキを振り返り

 では、12月に行われた公式トーナメントを振り返っていきましょう。

 『第七期 名人戦』の幕開けとなった12月は、関東、四国、北海道、近畿の4地区で予選が開催されました。

関東地区予選

 『第七期 名人戦』で最初の地区予選となったのが、横浜市で開催された関東地区予選です。

 66名のプレイヤーが参加し、『発見の旅路』の新カードで様々なデッキタイプが強化されたこともあり多種多様なデッキが持ち込まれました。そんな中で特に高いシェアを誇ったのが『世界選手権 2025』でも好成績を納めていた【ジョブ(戦士)】を主軸としたデッキタイプで、これまでシェア上位に君臨していた「火氷水【騎士】」や「火風土水【光の戦士】」を抑えて最大勢力となりました。

 群雄割拠となった関東地区予選を制したのは、2024年世界チャンピオンのはらさんの「氷雷FFVIII」でした。

■『第七期 名人戦 関東地区予選』優勝:はら  デッキ:氷雷FFVIII





 「氷雷FFVIII」といえば一昨年のL3構築環境で猛威を奮っていたのが印象深いデッキタイプですが、『発見の旅路』でさらに【カテゴリ(VIII)】の強化を受け、今度はスタンダード環境の舞台に舞い戻ってきました。

 【27-075L】イデアは『イデアがフィールドに出たとき、コスト2以下の【カテゴリ(VIII)】のキャラクターカード1枚をサーチし、フィールドに出してもよい。』というオートアビリティでスタートカードとして優秀なうえ、『あなたのターン終了時、あなたが【カテゴリ(VIII)】のキャラクターを4体以上コントロールしている場合、カードを1枚引く。』というオートアビリティで継続したアドバンテージの獲得も可能な『発見の旅路』の新カードです。これにより【18-076C】シド・クレイマーの展開が安定し、【22-010L】セルフィ【27-012H】ゼルといった火属性の【カテゴリ(VIII)】がプレイしやすくなっているのも強化ポイントです。

 また【カテゴリ(VIII)】以外の強化ポイントとして【27-028H】シーモアが登場しました。フィールドに出るかアタックしたときに発動する選択式のオートアビリティを持っており、氷属性の新たな脅威としてメタゲームに大きな影響を与える1枚です。汎用性も非常に高くデッキを選ばず活躍できるのも特徴で、後述の「火氷【戦士】」などでも活躍しています。


 もう1つ、関東地区予選で多くのプレイヤーが上位に入った「火単」も『発見の旅路』シーズンで大きな躍進が見られているデッキと言えるでしょう。新カードとしては『スターターセット2025 Vol.1』で登場した【27-122S】ウクラマトと『発見の旅路』のレジェンド【27-010L】ザンデが採用されています。

 特に注目すべきは【27-010L】ザンデでしょう。フィールドに出たときに指定したジョブのフォワードからアビリティを根こそぎ失わせるオートアビリティは、ジョブシナジーを軸とした「火氷水【騎士】」などのデッキに対する強力なメタカードになるうえ、ジョブを指定するので選ばれないアビリティを持つフォワードにも有効な対策となるなど、高い汎用性を持ち合わせています。もう1つのオートアビリティも最低1回の除去と手札交換が保証されたうえ、複数回の発動も期待できる効果となっており、フィールドに残ることで大きな脅威となるカードです。【22-113L】モント・リオニスで復活させる選択肢にもなるため、「火単」の底力を多方面から押し上げてくれています。

四国地区予選

 関東地区予選の翌週に高松市で行われた四国地区予選は、16名の参加者から10種にも及ぶデッキタイプが持ち込まれる混戦のメタゲームとなりました。【戦士】デッキは「火水」型と「火氷」型が見られましたが、「火氷」型に人気が集まっている点も『発見の旅路』でのメタゲームの発展を感じさせます。

 そんな四国地区予選で優勝を飾ったのが『FFTCG』を代表するコントロールデッキ「火風土水【光の戦士】」でした。

■『第七期 名人戦 四国地区予選』優勝:やぶ  デッキ:光の戦士

 やぶさんのリストはメインデッキが50枚とも『世界選手権 2025』でえあさんを優勝に導いたデッキと同一のリストということで、完成されたデッキであることを感じさせます。

 プレーオフを勝ち上がり、もう1人の予選通過者となった正義さんの「土単」も「火風土水【光の戦士】」と同様にバックアップ展開から【19-128】ウォーリアオブライトを目指すデッキとして活躍してきましたが、『発見の旅路』では【6-084L】レオの新たな相棒としてバックアップから氷・土・雷のCPを支払ってキャストできる【27-027L】ケフカが登場し、「火風土水【光の戦士】」にはなかった独自の強みを獲得しています。バックアップが伸び切る前にアクションが取れるようになり、環境に適応できる速さを得たことは「土単」の大きな強化ポイントと言えるでしょう。

北海道地区予選
近畿地区予選

 四国地区予選の翌日に札幌市で行われたのが北海道地区予選です。地元プレイヤーと遠征勢によるデッキ構成は、「火風土水【光の戦士】」が不在でアグロ〜ミッドレンジが競い合う大会となりました。ここで優勝したのは、地区予選ごとに存在感を増していた「火氷【戦士】」を持ち込んだマキナん@キャッチMAXさんです。

 【戦士】デッキの勢いは衰えず、2025年最後の公式トーナメントとなった近畿地区予選もriruさんの「火氷【戦士】」デッキが制する結果となりました。

■『第七期 名人戦 北海道地区予選』優勝:マキナん@キャッチMAX  デッキ:戦士



■『第七期 名人戦 近畿地区予選』優勝:riru  デッキ:戦士



 これまで【戦士】デッキといえば「火水」をベースに【18-107L】アクスターをタッチする構築がメジャーでしたが、『発見の旅路』で【27-019H】イシェ【27-022C】カルといった優秀な氷属性の【ジョブ(戦士)】が追加されたことにより「火氷」型の開拓が進んでいます。 これにより【21-010H】タイヴァスに依存せず【18-107L】アクスターをキャストできるようになるほか、先述した氷属性のエースカードである【27-028H】シーモアが採用できるというメリットも獲得しています。

 「火単」でも紹介した【27-122S】ウクラマトは単体スペックが高いだけでなく、このデッキにおいては【ジョブ(戦士)】のシナジーも発揮する1枚で、ポテンシャルを底上げしてくれています。



『発見の旅路』がスタンダード環境に与えた変化を考察

 ここまで『第七期 名人戦』で活躍したデッキを見てきましたが、『発見の旅路』から採用されている新カードにはある共通点が見られます。

 それはフィールドにでたときに発動するオートアビリティと、フィールドに生き残ることで継続して使えるオートアビリティを合わせ持っているという点です。そのようなカードは相手からするとすばやくフィールドから取り除かなければならない脅威であると同時に、除去すると再度オートアビリティを使われてしまうかもしれないという二重のリスクがかかっているのが大きな強みです。

 もちろんこうしたデザインのカードはこれまでも活躍してきましたが、弾を重ねるごとに種類が増えたことでデッキに採用される比率が高まり、対処するハードルも比例して高くなっているというのが『発見の旅路』シーズンのスタンダード環境においてメタゲームに変化をもたらしている一因と言えるのではないでしょうか。また、これにより相手のフォワードを除去する性能に秀でている火・氷・雷属性の評価が相対的に高くなっていると考えられます。

 こうした前提をもとに12月の『第七期 名人戦』を振り返ると、『発見の旅路』の新カードを取り入れつつ高い除去性能を持つ「氷雷VIII」「火氷【戦士】」「火単」が多くのトーナメントで結果を残したことは当然の結果と言えるでしょう。

 『発見の旅路』の登場がスタンダード環境に与えた影響は確かな結果として現れ始めています。 次々と押し寄せる脅威にプレイヤーはどのような戦略で対抗していくのか、今後の『第七期 名人戦』の地区予選、そして『第七期名人位決定戦』にも注目が集まります。

 この旅路の先に何が発見されるのか、今シーズンのスタンダード環境の行末が期待されますね。



 それではまた来月お会いしましょう。