第487回:『Standard Championship 2025』トーナメントレポート

 5月31日と6月1日の2日間、愛知県名古屋市にて『Standard Championship 2025』が開催されました。
 スタンダード構築におけるシーズンの王者を決めるトーナメントであり、上位2名が『世界選手権 2025』日本代表の権利を獲得します。
 99名のプレイヤーが参加した大会のレポートを、トップ8のデッキリストとあわせてお届けします。

【『Standard Championship 2025』配信アーカイブはこちら】

予選ラウンド

 予選ラウンドはスイスドロー8回戦で行われました。

 スタートしてから約2か月が経過しての『星の涙』環境ですが、スタンダードで行われた『MASTERS 2025 1st season』の優勝は「騎士」が3回、「火水モンスター」が2回、「火氷土ソルジャー」が1回ということで、前評判の高かった【25-104L】ユウナデッキは優勝こそないものの活躍は目立っており、「騎士」デッキは【25-104L】ユウナを使えてかつフォワードどうしの競り合いにも強いことから結果を残しているという状況でした。

 環境の節目となるこのトーナメントでのデッキ分布はこのようになりました。

 トップ8は「FFIVユウナ」×3と「バイキングユウナ」で半数を【25-104L】ユウナデッキが占め、もう半分は「火単」「水雷モンスター」「光の戦士」「土雷水バッシュ」という構成になりました。

 「FFIVユウナ」は各種「セシル」のギミックにプラスして息切れを防いでくれる【20-125R】ローザの存在、フィールドに残ってしまえば手が付けられなくなる【15-011L】パロム【15-119L】ポロムなど、フォワード間のシナジーやサイズで他の【25-104L】ユウナデッキと一線を画す仕上がりとなっており、ここに来てはっきりと台頭する結果となりました。

 「光の戦士」の第一人者であるえあさんや「土雷水バッシュ」を使い続けてこられたてづかきよたかさんといった、プレイ経験を武器に勝ち上がってきたプレイヤーもおり、準々決勝はすべて"ユウナデッキ" VS "それ以外のデッキタイプ"、"日本代表経験者" VS "初の代表を目指すプレイヤー" という組み合わせの決勝トーナメントとなりました。

▲トップ8の顔ぶれ

準々決勝(結果)


しど(FFIVユウナ) 2-0 てづかきよたか(土雷水バッシュ)
eureka(FFIVユウナ) 2-0 ばん(火単)
えあ(光の戦士) 2-0 aaaa(FFIVユウナ)
しーゆー(水雷モンスター) 2-1 モンディ(バイキングユウナ)


準決勝

えあ(光の戦士)対 しーゆー(水雷モンスター)

[1ゲーム目]
 序盤からお互いにバックアップを並べあう展開になりますが、そうなると俄然フィールドは「光の戦士」デッキの土俵になっていきます。再三除去されながらも【19-102L】レフィアでアドバンテージを取り続けたえあさんが1ゲーム目を先取します。

[2ゲーム目]
 今度は思うようにバックアップを伸ばせないえあさんに対し、しーゆーさんは【11-124H】リルム【23-104H】湿地の魔女で猛攻をしかけます。えあさんは5点までダメージを受けたところで【22-118H】シャントットで盤面をリセットすることに成功しますが、デッキは残りわずかしかありません。残されたターンで勝つべく攻勢に出るえあさんの隙をついて、しーゆーさんは【18-126L】ライトニングでとどめを刺しにいきますが、これを【9-114C】不浄王キュクレインでしのいだえあさんが、最後は【19-108L】ジタンで逆にしーゆーさんのデッキを削り切って勝利。決勝に駒を進めました。



eureka(FFIVユウナ)対 しど(FFIVユウナ)

 『世界選手権 2025』の権利がかかる一戦ですが、ここに来て同じ調整チームが組み上げた58枚一緒のデッキによるミラーマッチとなりました。お互いがデッキのすべてを知り尽くした状態でのマッチは、終始一進一退のシーソーゲームが展開されました。

 先攻のしどさんがすぐさま1ゲームを先取しますが、2ゲーム目はeurekaさんが【25-104L】ユウナでしどさんのフォワードをすべてダルにし、自分のフォワードは【22-105H】ミワでアクティブにしてアタック。一挙に5点ダメージのビッグアクションで取り返します。

 勝負の3ゲーム目ですが、eurekaさんが【15-011L】パロム【15-119L】ポロム【25-104L】ユウナをそろえて完全なロック状態を作り上げることに成功し、しどさんが投了。これでeurekaさんは、5位に入賞した『世界選手権 2024』に続き2年連続での日本代表に選ばれました。おめでとうございます!  

決勝

えあ(光の戦士)対 eureka(FFIVユウナ)


[1ゲーム目]
 eurekaさんは【20-125R】ローザ【20-075L】セシルがそろわず【22-123R】レオ【23-122R】シド・ハイウインドでプレッシャーをかけますが、それを見たえあさんは2ターン目に手札をすべて使って【16-051L】セシルから【19-128L】ウォーリアオブライトを出し、5000ダメージでeurekaさんのフォワードを少しでも削って【25-104L】ユウナを有効に使えないようにします。
 返しのターンにeurekaさんは【25-104L】ユウナを出して【19-128L】ウォーリアオブライトを凍結させますが、【18-012L】ファリスで的確に相手のフォワードを削ったえあさんが先勝します。

[2ゲーム目]
 1ターン目から【25-104L】ユウナ【11-054R】謎の男で強くけん制してきたeurekaさんに対し、オートアビリティが使いにくくなったえあさんは様子を見ながらバックアップを展開します。状況を見て行けると踏んだeurekaさんは大量のフォワードを展開し、【25-104L】ユウナによって完全なロック態勢を作って勝利。1-1のイーブンに戻します。

[3ゲーム目]
 えあさんは1ターン目から手札をすべて使ってバックアップを3体展開し、【25-104L】ユウナに備えます。eurekaさんは【23-129H】ルナフレーナからスタートして【20-125R】ローザ【20-075L】セシルをそろえにいき、次のターンにはその両方と【25-104L】ユウナをキャスト。2ゲーム目のように締め上げにかかります。
 させじと次のターン、えあさんは【1-107L】シャントットをキャスト。これが通ってしまうと負けがかなり近づいてしまうeurekaさんはスタックで【20-075L】セシル【16-051L】セシルに変えます。【20-125R】ローザのアビリティで水属性のカードを引けば【16-051L】セシルから【4-138R】メルヴィムを出してそのまま【22-105H】ミワをキャストでき、アクティブにしたフォワードで【25-104L】ユウナ【1-107L】シャントットを止めることができる……という大事なドローでしたが、手札に加わったのは水属性のカードではなく、そのまますべてのフォワードがゲームから除外されます。
 eurekaさんはもう一度【20-125R】ローザ【20-075L】セシルをキャストしますが、舞台が整った状態での【19-102L】レフィアが止まらないと見るや投了。えあさんが最終ゲームを制しました。


 昨年も「光の戦士」デッキでセンセーショナルな活躍を見せながら惜しくも日本代表には手が届かなかったえあさんでしたが、今大会でついにスタンダードでのシーズン日本一に輝き『世界選手権 2025』の権利を獲得です。おめでとうございます!  

 日本代表2名が決定しましたが、『世界選手権 2025』へのロードマップはまだ序盤です。残る10個の椅子は10月の『L3 Championship 2025』と『MASTERS 2025 FINAL』で埋まります。『MASTERS 2025』は6月から『2nd season』がスタートしており、生配信では『3rd season』の日程も発表しました。

 ますます熱を帯びてくる『FFTCG』の公式トーナメント。これからも全国各地で皆さまのご参加をお待ちしております!  


▲『世界選手権 2025』の参加権利を獲得したえあさん(写真右)とeurekaさん(写真左)

『Standard Championship 2025』トップ8デッキリスト

※リスト内のカード名をクリックするとカード画像が表示されます。