第373回:『MASTERS 22-23 FINAL』トーナメントレポート

 3月11日、東京のスクウェア・エニックス本社にて『MASTERS 22-23 FINAL』が開催されました。

 2022年9月にスタートした予選大会は、当初の予定どおりのスケジュールで全国24会場の日程を進行することができました。引き続きプレイヤーの皆さまにも事前受付や会場での各種感染対策にご協力いただきありがとうございました。

 『FINAL』の権利は全国24会場で1人ずつと『第四期名人位決定戦』の上位4名が獲得していましたが、なんと権利保有者の全員にご参加いただいて、シーズン日本一のプレイヤーを決定するトーナメントを行なうことができました。ここでは大会のもようを、トップ8のデッキリストとあわせてお届けいたします。


『MASTERS 22-23 FINAL』生放送のアーカイブはこちら
(4回戦 0:20ごろ、5回戦 1:12ごろ、6回戦 1:53ごろ、準々決勝 3:06ごろ、準決勝 4:15ごろ、決勝 5:06ごろ、優勝者インタビュー&情報パート 6:39ごろ) 

予選ラウンド

 予選ラウンドはスイスドロー6回戦で争われました。また、上でもご紹介している生放送ではFFTCGプレイヤーのeurekaさんを解説にお招きし、英語も交えながらトーナメントの熱気を全世界に向けて配信しました。



 スタンダード環境での公式トーナメントは1か月以上の間隔が空いており、「風単」と「水単」が有力なメタゲームで速攻系のデッキが突き崩しを狙うという構図がどのように変容するのか注目が集まりました。最終的に会場に集まった28個のデッキの構成は以下のとおりとなりました。

準々決勝


『FINAL』の決勝トーナメントは今回もデッキリストを公開のうえ、すべて80分間の2本先取で争われました。


準々決勝(結果)

ちょーぎょーじ(火雷FFXIII) 2-1 holy(忍者)
けすうゆらは(風単) 2-0 しょーちゃん(水単レオ)
たまごまん(火氷FFVI) 2-1 あーき(水単レオ)
しど(水単) 2-0 チョココロネ(水雷)
 

ベスト8 デッキリスト

※リスト内のカード名は、クリックするとカード画像が表示されます。



準決勝


けすうゆらは(風単) 対 ちょーぎょーじ(火雷FFXIII)

 会場内のメタゲームで好ポジションにつけ、狙いどおりの予選1位通過で1ゲーム目の先攻も獲得できる「火雷FFXIII」のちょーぎょーじさんに対し、けすうゆらはさんのデッキは一見不利にも見える「風単」ですが、そこは『MASTERS 22-23』で決勝トーナメントに進出すること7回、うち優勝2回・準優勝2回という驚異的なアベレージをたたき出しているプレイヤー。もちろんこのマッチアップにおいても1つの作戦を用意していました。

[1ゲーム目]ちょーぎょーじさんは勢いよく【18-013R】ファングと【19-137S】ホープを並べ、次のターンの【19-138S】ライトニングで一気に大ダメージの態勢を整えます。けすうゆらはさんはここで【18-050L】ユフィをキャスト。このカードこそが対「火雷FFXIII」の作戦ということで、パワー10000でアタックしつつ、スペシャルアビリティでの除去を狙います。しかしコストとなる追加のユフィを引けず、後続を順調に展開したちょーぎょーじさんがそのまま勝利しました。

[2ゲーム目]先攻後攻が入れ替わった以外はお互いに1ゲーム目と同じような動きでスタートしますが、今度はけすうゆらはさんが相手の【19-138S】ライトニングを含めて3体フォワードが並んだところに【18-050L】ユフィのスペシャルアビリティで一掃することに成功します。ちょーぎょーじさんも【19-130S】バハムートで【18-050L】ユフィを退け再びの攻勢を狙いますが、最後までフィールドの優位を手放さなかったけすうゆらはさんがイーブンに戻しました。

[3ゲーム目]再び先攻を得たちょーぎょーじさんは2ターン目に【18-013R】ファング、【19-129S】ヴァニラ、【19-136S】ノエル、【19-138S】ライトニングと一気に展開し、アタックがすべて通れば6点ものダメージが通る圧倒的な展開を見せつけます。一方、けすうゆらはさんは【18-050L】ユフィこそ出せているもののスペシャルアビリティの準備は整わず、絶望的な状況に追い込まれます。しかし4点目のダメージで【11-060C】マイナがEXバースト! 【1-086C】ユフィをサーチしてすぐさま24000ダメージを放つと、そこからは【2-049H】アスラでの【1-086C】ユフィ回収なども駆使して計4回のスペシャルアビリティで「火雷FFXIII」の展開力を打ち砕き、土壇場で作戦が機能したけすうゆらはさんが決勝に駒を進めました。


しど(水単) 対 たまごまん(火氷FFVI)

 「火氷FFVI」という会場内で唯一のアーキタイプで予選を2位通過したたまごまんさんと、特に後半戦でメタゲームの中心となった「水単」で予選を3位通過したしどさんの対決。お互いに、参加権利を獲得した大会で使用していたのと同じタイプのデッキをこの『FINAL』で握っているのが印象的です。 

[1ゲーム目]先攻のたまごまんさんの【4-026H】ガストラ帝国のシドから【15-036H】セリスをサーチする動き出しに対して、しどさんは【1-177R】ユウナと【15-123C】予言士でバックアップを伸ばしていく、双方順調なスタートを切ります。たまごまんさんは続けてサーチした【15-036H】セリスから【4-048L】ロックまでつなげて序盤からゲームの主導権を取りにいき、しどさんが【16-124H】ライトニングで【4-048L】ロックに対処すると淀みなく【16-042R】ラスウェルをキャスト。プレッシャーとなるフォワードを展開しながらダメージレースを仕掛けていきます。
 引き続き対処を求められるしどさんですが、キャストした【18-102C】ワッカが【12-097H】シルドラをキャッチすることで【16-124H】ライトニングのスペシャルアビリティが決まると、一気にゲームの見通しが良好となります。たまごまんさんも【15-036H】セリスのパーティーアタックを狙ってフォワードをキャストしていきますが、「水単」の盤石の除去に対して早々に見切りをつけて投了を選択。しどさんが1勝目を挙げます。

[2ゲーム目]続けて先攻のたまごまんさんはマリガン後も初動で切れる手札を引き込めず、消費を最小限に抑えて【16-042R】ラスウェルからのスタート。しどさんもバックアップの選択肢が限られていたようで、着地の難しい【18-090R】カルミアを捨てて【18-102C】ワッカ1枚のみから入ります。たまごまんさんはそこから3ターン目までに火と氷両方のバックアップの展開に成功し、【16-042R】ラスウェルへの対処で【15-106C】アトモスを使わせたことにより、最序盤でのリソース差を五分に持ち込んで【15-036H】セリスによるプレッシャーをかけながらゲームプランを立て直します。
 しどさんもそこから【13-093H】サラによるバックアップサーチでデッキの戦いやすい土台を確保すると、中盤戦で【12-097H】シルドラから【14-102L】海神リヴァイアサンと【18-100L】レナをサーチして一気に主導権を握ります。たまごまんさんも【17-132S】ゼムスと【17-002L】エドガー、【17-017H】マッシュのアビリティで血路をひらき4点目までダメージを返しますが、そこから逃れたモンスターが【17-113L】グラセラ・ウェズエットのアビリティによる援護で7点目のダメージをもぎ取り、しどさんがデッキのポテンシャルを活かしてタフなやり取りの応酬を制しました。  

ベスト4 デッキリスト


決勝


けすうゆらは(風単) 対 しど(水単)

 選ばれし28名が参加した『MASTERS 22-23 FINAL』も残すは決勝戦のみ。決勝の舞台に立つのは、メタゲームの最前線のさらに一歩先を行くデッキビルダーとしておなじみのしどさんと、先述のとおり『MASTERS 22-23』における時の人・けすうゆらはさんのお2人です。『力の復活』環境で最後までスタンダード環境の中心にあった「風単」と「水単」による最終戦となりました。

[1ゲーム目]2人ともゲームが動くのは中盤以降になると考え、最初の数ターンはバックアップを出すだけにとどめ力を蓄える時間に使います。準備が整ったと見てか、まずはしどさんが【18-086H】アーシェと【17-113L】グラセラ・ウェズエットを並べ相手にプレッシャーを与えます。その返しでけすうゆらはさんは、①【16-135S】ルールー、②【2-049H】アスラ、③【17-053R】チョコボ、(【12-038H】アルテアで【16-135S】ルールーを戻し)④【12-038H】アルテア、⑤【16-135S】ルールー、⑥【2-049H】アスラ、⑦【17-063R】ルッソと一気にキャスト。条件を満たした【17-063R】ルッソによってしどさんのフォワードを一掃、さらに【16-048H】ジタンを追加して一気に攻めます。しどさんもけすうゆらはさんの攻勢に対処しようと再び【18-086H】アーシェや【17-113L】グラセラ・ウェズエットを送り込みますが、【16-058R】フィーナや【10-055H】チョコボに妨害されて思うとおりにブレイクできません。デッキの切り札である【14-102L】海神リヴァイアサンも【16-058R】フィーナで止められてしまいゲームセット。けすうゆらはさんが先に王手をかけました。

[2ゲーム目]同様にお互いバックアップを並べあう時間から始まります。今回はけすうゆらはさんが【14-057H】ローザ、【1-086C】ユフィ、【12-039C】アレキサンダー×2、【17-063R】ルッソと動いて先に仕掛けます。その後も【1-086C】ユフィの回避能力でダメージを稼いであと1点のダメージで勝利のところまでいきますが、ここからしどさんが「水単」ならではの粘りを見せます。【18-086H】アーシェで3枚目の【16-058R】フィーナを使わせて、【11-114R】サハギンチーフで自分の【14-102L】海神リヴァイアサンと【15-118C】ブルードラゴンを戻しマイナス9000を2回発動、さらに【14-102L】海神リヴァイアサンをコストに捨てて【18-100L】レナでブレイクゾーンから【14-102L】海神リヴァイアサンを出現させ、けすうゆらはさんのフォワードを一掃します。ダメージレースではまだわからない状態でしたが、キャラクターを継続して展開するために【12-039C】アレキサンダーや【12-037L】アーシェでカードを多く引いていたけすうゆらはさんのデッキはほとんど残っておらず、デッキ切れによってしどさんが逆転勝利をおさめ、シーズン日本一の座は最終の3ゲーム目へともつれます。この時点で80分の制限時間は残り5分を切っていました。

[3ゲーム目]延長ターンでのライフ差の勝負が見えたことにより、序盤からこれまでとは違った展開になります。お互い【17-113L】グラセラ・ウェズエット、【16-058R】フィーナを出して相打ちする珍しい序盤戦から、けすうゆらはさんが【14-057H】ローザを出しターンを返した直後に時間終了がアナウンスされ、ダメージが互いに0点のまま延長の3ターンへと突入します。
[延長0ターン目・しどさんのターン]相手の【14-057H】ローザを【15-106C】アトモスで倒し、【18-089H】エキドナを出してターンを返します。
[延長1ターン目・けすうゆらはさんのターン]バックアップのアクティブを駆使し【14-057H】ローザ、【16-135S】ルールー、【18-050L】ユフィとフォワードを複数体展開し、さらにヘイスト持ちの【18-050L】ユフィでアタックを仕掛けます。ここでダメージを受けると返しのターンに【18-089H】エキドナでアタックを通さないかぎり負けが確定してしまうため、しぶしぶ【18-089H】エキドナでブロックしダメージを防ぎます。
[延長2ターン目・しどさんのターン]【18-100L】レナから【14-102L】海神リヴァイアサンを出して【16-135S】ルールーを対処しますが、【14-057H】ローザと【18-050L】ユフィを選ぶことができずフィールドに残したままターンを渡します。
[延長3ターン目・けすうゆらはさんのターン]ここで、準決勝でも勝利の立役者となった【18-050L】ユフィのスペシャルアビリティがしどさんのフォワードを一掃! 無人のフィールドを【14-057H】ローザが駆け抜けて優勝を確定する1点目のダメージをもたらし、けすうゆらはさんが『MASTERS 22-23 FINAL』のチャンピオンに輝きました。おめでとうございます!  



ファイナリスト デッキリスト


 『MASTERS 22-23 FINAL』のレポートをお届けしました。いよいよ来シーズンは『日本選手権 2023』を皮切りとした『世界選手権 2023』へとつながっていく公式トーナメントが始まります。今後も皆さまのご参加をお待ちしております!  

▲ベスト4:ちょーぎょーじさん

▲ベスト4:たまごまんさん

▲準優勝:しどさん

▲優勝:けすうゆらはさん