第248回:プロデューサーからスペシャル Vol.12『召喚獣のお話』

 皆さんこんにちは、『FF-TCG』プロデューサーの景山太郎です。ちょっと間が空いてしまい申し訳ありません。改めて今週もよろしくお願いします。今回は『FF-TCG』のカードタイプの1つである召喚獣について語っていきたいと思います。

召喚獣と属性

 『FF-TCG』の召喚獣はキャストしたらすぐさまブレイクゾーンに行く使いきりのカードである代わりに、いつでも使える便利なカードです。いろいろなタイプのデッキが存在する『FF-TCG』ですが、召喚獣がまったく入っていないデッキはめったにありません。それだけ召喚獣がこのゲームにおいて大事な存在であるということがわかると思います。

 『Opus』ごとにどのキャラクターや召喚獣を収録するかを決めている僕にとって、召喚獣はキャラクターより考えやすいタイプのカードになります。それは、多くの召喚獣が原作において決まった属性を持っているからです。イフリートなら火、シヴァなら氷、ラムウは雷、タイタンなら土……というように。
 ですからある召喚獣をどの属性に入れるか、という点では困ったことはまったくありません。しかし、実際は『FF-TCG』の召喚獣は僕にとっては2つの問題を抱えているのです。


収録される召喚獣を選ぶときの悩み

 召喚獣は属性が決まっていることが多いのは確かにありがたい話なのですが、それは逆に言うとそれ以外の属性にしづらいということにもなります。想像してみてください。イフリートが火属性以外に考えられますか? 土属性のラムウはありえますか? シヴァは、まあ水属性くらいにはできるかもしれませんが基本的には氷属性であるべきでしょう。そしてもう1つの問題点として、当然ですが召喚獣の種類はキャラクターの種類に比べるとぐっと少なくなります。特に有名どころの召喚獣は多数の原作に登場するため、キャラクターよりひんぱんに『FF-TCG』に使用され、結果として同じ名前の召喚獣を多く見ることになります。

 この2つの問題点を合わせるとこういうことになります。「同じ属性に同じ召喚獣が収録されがち」。これは皆さんもなんとなくわかるかと思います。火属性の召喚獣にイフリートが多いのは事実です。とはいえこれはゲーム性には直接的な問題を含んでいるわけではありません。極端な話、火属性の召喚獣がすべてイフリートであったとしてもその効果が違えばゲームをするうえでは問題ないはずです。ですが、せっかくのファイナルファンタジーのゲームなわけですから、もっといろいろな召喚獣が登場してもいいですし、そうすべきでしょう。

描き下ろしの召喚獣たち

 ファイナルファンタジーには登場回数が少ないながら魅力的な召喚獣が数多く存在します。そういった召喚獣をどうやって『FF-TCG』に登場させるか。それを解決する方法として僕は召喚獣の描き下ろしをお願いすることを考えつきました。この考えは大成功でした。松田俊孝さんが描き下ろした『Opus VIII』の【8-135H】アークや【8-133H】マディーン。オグロアキラさんの【9-068H】ドラゴン。『Opus X』に登場した伊藤龍馬さん描き下ろしの【10-003C】イブリスをはじめとする6種の召喚獣。そして『Opus XII ~クリスタルの目覚め~』で登場する小林元さんの【12-002H】アマテラス……。これらのカードは描き下ろしということもあり、大きな注目を集めています。この考えは大成功だったと言えるでしょう。

 今後も『FF-TCG』には多くの召喚獣が登場します。そしてそこには新たに描き下ろされた召喚獣たちをいくつも見ることができるはずです。皆さんは『FF-TCG』に登場してほしい召喚獣はありますか?

 もしかしたらそれらも新たなイラストとともに登場するかもしれません。ぜひ楽しみに待っていてください。