第179回:Card of the Week 今週の一枚(2019/06/27) 

 みなさんこんにちは!『FF-TCG』プロデューサーの景山です。『Opus IX』プレビューでは3度めの出番となります。改めてよろしくお願いします。

 前回、このコーナーで『FINAL FANTASY VIII』の敵キャラクターであるアルティミシアを紹介しましたが、今回は『FINAL FANTASY XII』に登場する敵側のキーキャラクターであるこの人、ヴェイン執政官を紹介しようと思います。『Opus IX』のプレビューでは常に敵側ばかり紹介していますが、ヒーロー側はRBがやってくれるのでバランス的にはちょうどいいのではないでしょうか。僕のほうがRBより悪そうですしね。

【9-022L】ヴェイン/Vayne

 さて、ヴェインは今まで『FF-TCG』で2回カード化されていて、今回で3回目ということになります。レアリティはレジェンドなので『Opus II』の【2-026L】ヴェイン以来、2年と半年ぶりのレジェンドでの採用ということになります。今回のヴェインはそのときのヴェインよりトリッキーな能力を持っていますので、そのあたりを紹介していきたいと思います。

 ヴェインといえば、原作ではその実力もさることながら、政治的な戦いに長けた策略家としての一面が強いキャラクターです。こういうキャラクター性をカードの能力に落とし込む場合にうってつけなのが氷属性です。ダルや凍結、手札を捨てさせることなどを駆使して相手のやりたいことをさせず自分の優位な状況に持ち込む、という氷属性の特徴はまさにぴったりでしょう。

 さあ、それを踏まえたうえで今回のヴェインはどのようになったのかというと、5コストでパワー9000という平均的な数値に加え、アビリティはたったの1つしかなく、さらにとてもシンプルなものです。策略家、と言われると複雑で何行にもわたる長い文章でできたアビリティを想像する人が多いでしょう。そういう意味では少しイメージから外れたカードかもしれません。しかし、彼の持つ唯一のアビリティは確実に相手を追い詰める、策略家の彼にふさわしいものになっています。

 『対戦相手のコントロールするフォワードに「あなたのターン終了時、あなたは1CPを支払わない限り、自身をブレイクする。」を与える。』とあります。わかりやすく言うと、対戦相手のフォワードは対戦相手のターン終了時に対戦相手が1CPを支払わないとブレイクされてしまうのです。これは対戦相手のすべてのフォワードに適用されるので、対戦相手が数多くフォワードを展開していればいるほど効果的です。1CPくらいなら簡単に払えると思うかもしれません。しかし、毎ターン、フォワード1体につきバックアップ1体が使えなくなっていると考えれば、これがどれほどやっかいなアビリティかわかるかと思います。特にバックアップをあまり展開せず、軽量のフォワードで押していくタイプのデッキにとっては天敵と言えるでしょう。もちろん、それ以外のデッキに対してもこのアビリティは効果的です。なぜなら、氷属性は相手のCPの生成を封じ込めることが得意だからです。それではどのようなカードがヴェインの効果にぴったり合うか見ていきましょう。

相性のいいカード

 一番相性のいいカードはバックアップを凍結させるカードです。ダルにするだけでは相手のターンにアクティブになってしまうので、凍結させてしまうのが肝心です。【4-038L】セリスや【7-133S】アルティミシア、【8-026L】ガーランド[IX]などはぜひ一緒に使っていきたいです。なかでも特に【8-026L】ガーランド[IX]の相性のよさは抜群です。対戦相手はターンの開始時に何かをダルにしなければなりません。そのうえ、こちらはターン開始時に1体凍結させることができます。対戦相手からすると、バックアップをダルにすればヴェインで要求されるコストを払いにくくなりますし、フォワードをダルにすれば、ヴェインのコストを支払ってもろくに働いてくれなくなります。

 また、フォワードをダルにして凍結させるカードも有効です。先ほども少し書きましたが、フォワードを凍結させておけば、1CP払われたとしても有効に働いてくれなくなるでしょう。氷属性ではおなじみの【3-033L】ジェネシスや【6-027L】クジャは、ヴェインの強い味方になってくれます。

 いかがでしょう。全体的に氷属性のカードを多めに紹介しましたが、バックアップをブレイクできる風属性や土属性、常にコストを要求できる【4-024R】レドナや【5-088C】ドロタボーなど、ほかの属性にも相性のいいカードがありますのでいろいろな組み合わせを試してみてください。

 さて、次回はRBが今回のプレビュー最後のカードを紹介してくれます。美しい描き下ろしカードですのでぜひお楽しみに!